たまには休日を
古キョン処女作65/65
さて、今日はなんの日?
「キョンくん!」
ガバッと机に伏せていた俺の身体に抱きついたヤツがいる。
「古泉か……」
超美形かつ、その透き通るような声音に、優しい笑顔と礼儀正しい言葉使いをもつむちゃくちゃ完璧な男。
古泉一樹。
転校してきて早一ヶ月、最近俺へのスキンシップがかなりウザい。
珍しく、体調のすぐれない俺に今日も抱きついて来やがった。
男同士でどんな目で見られるかと思うと恥ずかしい。
「そうです、古泉ですよ。キョン君どうかなさったのですか?」
そこへ、ハルヒ登場。
具合悪い日ぐらい休ませてくれ。
「キョン朝からずっとこの調子なのよー、何かあったのか聞いても首ふるだけだし」
お前に具合が悪いなんていったらなんかされそうで怖いんだよ!
「そうなのですか……」
ぴたりと、額に何かあたる。
「なに……?」
弱々しく聞けば、古泉が慌てた様子で俺の手首を掴み、脈をはかりはじめる。
「キョン君、熱があるじゃないですかっ」
熱。
「キョン、熱があるの?」
あー風邪を引いたんだな。
「それもかなりの高さですよ!」
慌てるな、俺は大丈夫だ。
「キョン、しっかりしなさい!」
うるさい………
「キョンくん?!」
だからうるさ……い。
「キョン!!」
そのまま何も見えなくなって、気絶したんだと分かった。
身体が熱い。
頭がだるい。
誰か………。
「キョンくん!!」
「あ………」
視界に鮮やかな色が沢山飛び込んできて。
目が覚めたことに気づいた。
鼻をつく消毒液の匂いに、ここが保健室だと確証する。
「キョン?まじで大丈夫か?」
クラスメイトの谷口もいて、いささか、古泉が不機嫌そうなのは目の錯覚だろうか?
……コイツもスキンシップ激しいからな。
「古泉と谷口?授業は?」
「もう放課後ですから、終わりましたよ」
「お前、教室で倒れたからあの後凄い心配したんだぞ?」
「……悪い」
二人にどれだけ心配かけたのだろうか。
考えたら申し訳なく思った。
そして、起き上がる。
「連れて帰りますよ。ちょっと失礼しますね」
フワリと身体が宙に浮いて、姫抱きをされた。
古泉に。
男に。
「俺がやるから古泉は帰っていいぞ?」
それを奪うかのように、手を差し出す谷口。
「いいえ、結構です。行きますよ?」
――若干、火花が見えるのは気のせいだろうか。。
そのまま古泉に抱き抱えられて、俺は何故か古泉の家に連れて行かれた。
「キョンくん」
「なんだ?」
古泉の部屋のベッドにおろされて、見上げる格好で顔を向ける。
「僕以外の人間に……触らせないで下さいよ」
………は?
コイツはまた何をいっているんだ。
「あなたを他の人間に触られると腹が立つんです。やめて下さい……いえ、やめましょう?」
有無言わさずかっ!!
「あなたが好きなんです」
―――はへ?
いま、コイツはなんと言った?
いや、確かに古泉を見てから、格好いいなとか、他の人と仲良くしてるところを見て、なんかイラつくなとは思ったけど……って!!
古泉と言ってることと同じじゃねーかっ
えぇと…つまり…俺も……
………………………………
…………………………コイツが好きなのか
「キョンくん?」
全部口から出ていたらしい。
古泉が嬉しそうな顔してるよ。
「じゃあ、今日が記念日ですねっ、ゆっくり休んで下さい?僕、看病上手ですからっ」
…もう、好きにしてくれ。
風邪を引いたせいか、まったく怒る気になれなかった。
その後、何回も古泉がキスをしてきて、堪能するはずの休日が半分古泉の看病に当てられたのは、また違う話。
END
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なんか意味分かんねーなwwww