お土産の選び方

※性描写含む為閲覧注意


第一章のテーマパークへみんなで遊びに行った次の日。良之助の部屋に、光が遊びに来ていた時の出来事。




お土産の選び方




「せーのだぞ?」
「あーはいはい、判ったって」

何度も聞く良之助に、さっさとしろと呆れ口調で返事をした。これで何度目だ、フェイントを掛けたりして一向に進まないお披露目とやらに、俺はイライラと眉を顰めた。

「じゃ、せーの…!」

良之助のかけ声と共に、お互い背中に隠していたあるモノを差し出す。
同じ柄の包み紙だが、大きさが違い、俺のは手の平サイズなのだが良之助のは大き目だ。無難にクッキーとかだろうか?あーでも良之助は物選びのセンスに欠けている面があるから、変な期待は止めとこう。

さて、お互いが握るあるモノとは一体何だろうか?

それは、つい昨日行ったテーマパークで購入したお土産の事である。
密かにお互いへお土産を買い合う約束をしていたので、翌日の今日、御披露目となったのだ。

「さんきゅー!空けてい?空けてい?」
「どーぞ」

誕生日プレゼントでも貰った子供のように目を輝かせる良之助に、何だか微笑ましくなる。俺と身長や体格など大差ないのに、自分より幼く見えて仕舞うのは、この能天気さを前面に押し出したオーラだろうな。
そんな事を考えながら、包装紙を開けていく手を目で追う。

包装紙を全部広げると、中には四角い箱があった。蓋を抑えるシールをちぎれないようにゆっくり剥がし、蓋を両手で丁寧に開けていく。

「うわ、ジッポ!」

タバコを吸う者への最もらしいプレゼントに、良之助は跳ねるように喜びあがった。

「しかもターボ!?これ高かったんじゃねぇの?うわ〜、すっげぇ嬉しいー!」

喜んでくれた事に良かったと胸を撫で下ろす。金銭面に遠慮の無い良之助に何を選べばいいのか散々悩んだ挙句、ちょっと見栄を張って買った甲斐があったってもんだ。

「ほら光も開けろよ〜」
「おう、」

良之助から貰ったプレゼントをもう一度眺めた。クッキーや食べ物系の大きさかと思ったのだが、…重い。
コップか?いや、それよりも重量感がある。
ふと良之助を見ると、早く開けろと言わんばかりに満面の笑みだ。人懐っこい笑顔では確かにあるんだが俺は知っているぞ、お前のその顔は悪戯な罠を仕掛けた子供の笑顔だ。
憶測不能なお土産に、俺は生唾を飲み込む。ゆっくりと、包装紙、そして箱の蓋を開けた。
目が点。これに尽きる。

「お前、これはないだろ…。テーマパーク行って"健康セット"はない、…うん、ない」

良之助の表情を見なくても分かる、絶対むかつく位にやけている筈だ。
"健康セット"。そう書かれた帯の下には、折りたたみ式の小型電動肩叩き、数種類の入浴剤に、小瓶に入れられた美肌蜂蜜やお茶葉が輝かしくも綺麗に並べられていたのだ。
美肌蜂蜜ってなんだ。俺にパックでもしてツヤツヤになって欲しいのか。

「光じじくさいじゃん。だから喜ぶかなぁーって」

こいつは…っ!!

「俺は結構真剣に悩んだんだぞ!?なのにお前はウケ狙いに走るか!!せめてクッキーとか普通ーのにしろよ!」
「ね〜、俺もこんなに良いの貰えるなんて思ってなかったし?ラッキー!」

ヘラヘラと笑う良之助に、なんだか気持ちの温度差を感じて悲しくなる。
俺たちは確かに友達だ、親友だ。もうかれこれ十年の付き合いになる。
そんな俺達は興味本位だとしても、一線を越えた秘密の関係があるのも事実だ。
確かに一度だけだ。過ちだとしても秘密を共有した仲にある絆を持っていると思ったりもしていたのだが、とんだ勘違いだったようだな。
だが、折角選んで買ってくれた事には違いないしな、ありがたいし嬉しい。

「まあ、有り難く使わせてもらうよ。」

肩叩きは親父達が喜ぶだろう、パックはお袋にでもあげればいいか。
そんな事を考えながら箱の蓋を閉じようとした時、ふと何かが閃く。

──これは…

ニヤリと口元が吊り上がる。それに気付かない良之助は嬉しそうにジッポを眺めていた。

「おい、良之助」
「なにー?」
「やるぞ」
「えー?」


ドン!

行き成り反転した視界に、良之助は何が起きたか分からず目を見開いた。防音暖房が効いたフローリングの上で唖然とする良之助に馬乗りにし見下ろす。

「折角プレゼントくれたんだしなー。使わないと」
「は?なに?なにが?」

意味が判らず頭をハテナにする良之助を余所に、すかさず良之助の胸元に手を差し入れた。

「!?、は!?なっなにっ……く…っ」

敏感な胸元の先を手のひらで擦るように触れられ、ビクリと無意識に体がしなる。程良く筋肉の仕舞った上半身は、さらりと触り心地がよい。

「ちょっ光、やめっ」
「はいはい、黙って」

服を肘まで一気に捲りあげ、頭上で手首を一回転させて服を捩じり腕の身動きを完全に塞ぐ。
突如襲いかかった身の危険に、良之助の顔から一気に血の気が引く。

「え!?なにしてんの光、」
「何だろな…、急にスイッチ入った」
「は?スイッチ?と、とにかく降りて…」
「やーだねー」

ニタリと自分でも判るほど意地の悪い笑顔をした俺に、良之助は俺の下から抜けようともがくが、そうはさせない。
良之助に跨ったままプレゼントされた箱から電動肩叩きを取り出す。電源を入れると、先の円系の部分が鈍い音を立てながら小刻みに振動し出した。

「お、これマイナスイオンもあんだって。マイナスイオン肩に要んの?」
「いやっ呑気に説明書読んでないでどけよ!悪かった、次はクッキーにするからさ!?おい、やめ…こうっ!」
「自分で買ったんだろ、てめぇで試しな…」

フッフッフ…

まさにそんな笑い方をして、徐々に先端を良之助に近付けていき、脇に触れた。

「ひぃやぁはっはっはっ!!やめっ光っはっはっはっ!!ひぃー!!」

こそばがりの良之助が悶絶しそうな程笑いながら、必死に逃げようと体を動かす。誰が逃がすか、とくと楽しむがいい!

「どーだ?自分で買ったマッサージ機は。最高だろ」
「最高な訳…あひゃひゃひゃひゃ!!…ないだろぉ…っ!はっはっはっ!!」

良之助が話す間々、動きを止めたり動かしたりして遊び続けた。

「も…むり、勘弁しへ…ひぃっあっはっは!……はぁ…はぁ…、」

笑い疲れた良之助が笑い涙を流しながらゼエゼエと肩で息をする。
ちょっとやりすぎたかな…と、少し反省しながら良之助から退こうと体を浮かした。
その時だ。

──ブゥン

「ーひぎゃ!」

良之助がいきなりビクッと体をしならせたかと思うと、同時に何とも言い難い声をあげた。

「こ、こう…それはやめろ…」

笑い疲れた良之助が酸欠気味の虚ろな目をしたまま状態を起こした。
もしかして…

「あ、ごめん。乳首に当たった?」
「あっ当たったも何も、もろ当たりだ」

じわりとかいた汗を拭いながらフンッと鼻を鳴らした良之助は、両手を塞いでいた服を着直す。しかし、またもや服がめくりあげられ視界が遮られた。

──ブゥン

「ふごぉ!」
「おー。」
「なっなにしてんだバカ!!」

バッと服を下げおろし、良之助は自分の体を守るように抱き込んだ。血の気が引いた顔のままだが、僅かに耳が赤い気もする。

「いや、面白いなぁーって」

真顔でそう言うと、瞬時に脚でマッサージ機を握る手を蹴り上げられ取られてしまった。
その時拾おうとした為か体制を崩し後ろに倒れ込んだ俺の上に、良之助が後ろ向きに馬乗りになる。
振向き様にニコリと無邪気な笑顔を良之助が見せられ、形勢逆転したこの状況に次は俺の顔面から血の気が引いていった。

「ごめん悪かった、だから止め…」
「ムリ」

──ブゥゥゥン

「ひぃ…!ああああ!!」

遠慮なく股間に押し当てられたマッサージ機が、強弱を付ける訳でもなく力任せに押し当てられ、過剰な刺激が全身を駆け巡った。

「いっ痛い!!りょ…っ!!ああ!」
「あ、ごめん痛かった?」

止められた動きに安堵し肩口で呼吸をしてから、良之助に出来るだけ優しい声色で先程の愚行を詫びた。
こんな事を続けられてもしろ、俺の股間が再起不能になる!
だが、どうした事か…良之助の目が輝いているのはなぜだろうか…。

「やっぱ許さな〜い。光もいっぱい楽しもう!」
「は!?良之…!」

息が詰まる。無邪気に楽しそうに背を向けた良之助が、またもや股間にマッサージ機をあてがったのだ。まだ電源が入っていない。訪れる刺激に冷や汗が出る。

「…な、良之助、外にでも遊びにぅあ…!」

──ブゥン
会話の途中で柔い刺激が股間に走る。その後も小刻みに強弱を付けながらマッサージ機の振動を当てられ、健全な俺は素直にフル勃起だ。

「うあー、パッツパツ。気持ちいい?」
「やめ…う…!……ああ…っ」

振り向かれた視線に合わせて悲願すると、良之助が少しじっと固まってから溜息を吐いて俺から退いた。なんなんだその溜息は。
弄ばれフル勃起されてしまった股間を見て俺が溜息を吐きたくなる。
身を起こすと何故かまたもやズシリと腹部に重圧がかかり、馬乗りをされてしまった。そんな良之助の手には、一つの瓶。

「光、これ試そうぜ!」
「……あ?」

必死に息子を落ち着かせようとしている俺に差し向けたのは、良之助からじじくさいと称号を頂いた健康セットの一つ、蜂蜜。

「ローション変わり」
「……は!?」
「今軟膏ないから、これ試してみたい」
「いやいや今軟膏要らないしそれ蜂蜜だし!」

俺の突っ込みもスルーで、良之助がいそいそと俺のパンツのベルトを外し下着から逸物を取りだした。急に触れた外気にキュっと体が締まる。

「良之助っ」

何をしようとしてる!軟膏の代わりに蜂蜜?この状況から言ってあの時と同じ事をしようとしていそうだ。
だが軟膏ってのはなんだ?俺に使う気なのか!?
操の危機に背筋が凍る。あの行為の後良之助が一時期不調をきたしたので二人で調べたりはしたんだ。だからわかる。俺には無理。嫌。ケツ譲らん。
制止ようともがくが良之助のお尻が、ドンッと胸元を押さえ込んで何も出来ない。押しても戻され、力も体格も一緒と言うのはこう言う時悔しい!

「はい〜塗るよー」

フタの開く音がしたと思った瞬間、冷やりとした感触が勃起した股間を包んだ。
こいつ、まじ塗ってる!!

「うわ〜ベトベト〜」

見る?と、軽く体を浮かせて両手でハイと俺の股間を見せてきた。
そこには、テカテカに甘〜い匂いを漂わせた俺の無惨な息子が。
おい。素直になんだかショックだぞ。

「うわわっ萎えてきてんじゃん!」

すると、良之助は慌てて手で擦りだした。

「う!…っ」

蜂蜜のぬるっとした感触の為か、良之助が扱く動きでぬちょりと何とも言い難い感触のせいで、熱が股間に集中する。いとも簡単に勃起させられてしまった息子を恨みながら、俺は揺れる視界に目をぎゅっと瞑った。
この刺激はヤバすぎる!

「ぅ…ぁ…ッ」

手の動きに合わせて洩れる声に、良之助の眉間に皺が寄る。すると徐に自身のパンツのチャックを降ろして逸物を取り出した。
ジッパーの音を微かに聞き取ったので瞼を開いて見れば、良之助の反り上がった逸物が視界に入った。
な、勃ってる…
すんと鼻に熱い物が通る。誤魔化せない、良之助の勃起した股間を見て俺は興奮したのだ。
必死に扱く良之助を見下ろしながら、俺は行動を見守った。
良之助は俺の視線に気づかぬまま、お互いの股間を擦り合わせるように両手で抱き込む。蜂蜜のぬるりとした滑りの中に主張するお互いの硬直した逸物が異質で、視覚でも捉えている俺の射精感が一気に駆け上った。良之助の手がスピードを増す。

「あ…っで、る…!」

俺の言葉に、頬を高揚させた良之助が頷く。

「…俺もイ…くっ!」
「う…ッ」

どくっどくっと脈が打ち、同時に俺達は朽ち果てた。






「で、どーすんのコレ」

倦怠感でぐったりと上向けに並んで寝転びながら、良之助に問いかけるとエヘッと舌を出してきた。
引いてきた汗が少し寒い上に、服も体も蜂蜜でべっとべと。

「誰も合わない事を祈って、いっせーのーせでシャワー室に走り込みでもする?」

良之助のとても安易な発案に、うーん、と頭を悩ましたが「それしかないか…」と承諾する他無かった。広い良之助の邸宅では、道のりが何倍も怖いが仕方がないだろう、このままの状態で居る訳にもいかないしな。

「じゃあ、行くぞ…?」

俺がスタートの合図をする。
目標は同階の端にある、お風呂場。

「いっせーのー…せ!」

勢いよく立ち上がり、誰とも合わない事を祈って。


(3/3p)
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