夜風は冷たかった。けれど俺達の体を冷ますほどのものではなかった。どちらかと言えば、俺達の体が熱すぎたんだと思う。気まぐれで繋がっているところに触れれば、組み敷いた体が大袈裟に跳ねるのが愉快だった。ぐずぐずに溢れる体液で濡れたその手を顔まで持っていって、頬に触れる。涙と混ざって、何で濡れているのかわからなくなる。
「はは、あつい、な」
両手を顔の両脇についた。土の湿り気は程よくひんやりとしていて心地好かった。草を掴むようにして腕に力を込め、腰を深くまで埋める。大きく開かせた足が、俺の腰に絡み付いてきた。「えん、ど、」掠れた声は耳に甘く響いて、下半身がずんと重くなる。かわいいなあ。そんなことを思いながら、俺の影が落ちて暗くなっている口元へ噛み付くようにキスをする。堪能したあと口を離すと、大きな瞳は涙をたっぷり含んできらきらと輝いていた。俺の背後に広がる美しい星空がそのまま瞳の中に移動してきたようだった。なにこれ、スッゲー綺麗。どうやらその感想は口に出てしまっていたようで、至近距離でまじまじと目を見る俺の額にチョップが食らわされた。照れ隠しにしては、ちょっと痛い。
「いや、でもほんと、きれいだぜ」
名前を呼びながら、瞳を見つめながら、繋がっている部分を再び動かす。揺らめく瞳はひどく扇情的だ。(あれに似てる、)小学生のころ遠足で行った施設で見たあの空間、ドーム状の屋根に星空がいっぱい映るやつ。瞳に映る満天の星が、それそのもののようだった。名前、なんていったかな、思い出そうとしたけれど、のぼりつめそうな快感に、埋め込んだ内部の温かさに、いつの間にか何も考えられなくなっている。

05.プラネタリウム
:110201


*野外でがっつくキャプテンが書きたかった 相手はあなたのお好みで…なんて丸投げでスミマセ


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