※DE戦後
研崎のとこで特訓中に色々されちゃった設定。性的な意味でお仕置きとかそういうの











俺は汚れている。いや、汚されたのだ。最初にそう思った。エイリア石にはきっと、身体能力を爆発的に高めるだけではなくて、身につけたその時抱いた感情を増幅させる効果もあるのだろう。そうでなければ、自分の性格があんなにも変わってしまうはずがない。冷静に考えればそんな分析をするのは容易いのに、身につけていた当時それができなかったのは、石に洗脳効果も存在するからだ。石のせいだ、という思考がまず働かないのである。なんて厄介な物質なのだろうか。そんなものに陶酔していたあの頃の自分を呪いたくなった。

「……っ、かぜま、る」
「ん、んん」
どくん、と口の中のものが脈打つのが分かった。そろそろか、と更に奥深くへ誘い込んで、強く吸い上げる。髪を掴む、暗に離せと訴えている手は無視して、両手で根本を支えながら喉奥で先端を押し潰すと、頭上からちいさく呻く声が聞こえた。ほぼ同時に、咥内で熱いものが迸る。勢いに少しえずいてしまって、溢れたぶんが口の端から伝い落ちた。喉に流れ込むその体液を飲み下すと、自分の腰も揺れた。
「っんむ…、ふ、ぁ」
「…っ、わ、悪い」
「ん、いいんだ、飲みたかったから」
けほ、と軽く咳込みながら豪炎寺の性器を口から抜く。まだ萎えてもらっては困る、本番はこれからだ、とばかりに、自分の唾液で濡れたそれを再び手で扱けば、むくりと芯を持ち始める。その様にほくそ笑むと、豪炎寺は対照的に訝しげな表情を向けてきた。
「…何かいつもと違くないか、風丸」
「俺がか? そんなことないだろ」
勘が鋭い豪炎寺に対してごまかしたかったこともあって、少し強く擦ると、豪炎寺の内腿がぴくりと震えた。元気だな、と完全に勃ち上がった性器に笑う。
俺がおかしいことくらい、俺が一番分かっている。こんな積極的なのも全て演技だ。豪炎寺にはきっと気付かれているのだろう、けれど、こうすることしか思い付かなかった。こんな態度を取らなければ、豪炎寺は俺をひどく優しく抱くのだろう。それでは駄目なのだ。
(あいつらは、もっとひどく俺を抱いたんだ)
あの忌まわしい記憶を、体罰と称した凌辱の痕を、消し去りたかったのである。だが豪炎寺に悟られるのも嫌で、我ながら身勝手だと思いつつ、自分がうまくやれば無理ではないだろうとも考えた。嫌気がさすが、男たちに培わせられた相手を誘う術を、続きを強請る笑顔を、もっと自分らしく改良して豪炎寺に向けた。いやらしさと、豪炎寺に対する愛しさと罪悪感を、すべて込めて。

「乱暴にしてくれていいんだ」

この汚れた身体を暴かれる前に。その乱暴ささえも、豪炎寺に上書きされるのなら、俺にとっては愛情に変換できた。甘えていると言ってしまえばそこまでだが、豪炎寺ならきっと、どんな乱暴にでも愛情をもって俺を抱いてくれる。そう信じて、豪炎寺に委ねることを決めたのだ。
(ただ、エイリア石には後遺症が残るのかも知れなかった。汚れた身体をどうにかしたかったのか、それとも既に物足りなさを訴える己の欲求を満たして欲しかったのか、もはや判断がつかなかった。けれど体が疼いているのも確かで、それごと豪炎寺に叶えて欲しかったのかもしれない。記憶を上書きしてほしい、なんてただの口実で、本当は俺にそれだけの性的な欲求があっただけなのかもしれない。しかも、以前のままでは物足りなくて、その上乱暴にされたいなんて、変態極まりない要望つきで。だとしたら、汚されたのは身体だけではなくて、───)

豪炎寺は獣のように俺の唇に噛み付いて、そのままベッドに組み敷いてきた。思考が止められるほどの強さに、期待で全身が蕩けそうで。もういっそ、壊してくれてかまわないんだ。そう呟いて、瞳を閉じた。




快楽の処方箋 /100217
(title:ギルティ

ビッチ風丸さん。体に叩き込まれたものは消えませんでした的な

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