「さみしいだろう、ティナ」

ちいさな少女に、手をさしのべた。掌を上にして、警戒されないように。それでも怯える少女に向けて、にっこりと笑顔を貼り付ければ、おずおずとその小さな手を重ねてくる。
それをゆるく包み込んで、空いている手で少女の柔らかな髪を撫でた。

「ぼくちんが、遊んであげますからねェ」

ふふふ、と笑えば、少女は少し困ったようにはにかんだ。
「ケフカ、わたし…」
「さーぁ、どこへ行きましょうか」
するりと、少女の身体を抱き上げる。ふわふわと浮くように飛び跳ねて移動すると、少女は楽しげに笑う。

落ちるのを恐れているのか、少女は小さな手でケフカの服を握り締める。
こちらとて、離してなどやるものか。心の内では酷い笑い声が響いていた。

「何して遊ぼうか、ティナ」

たくさんたくさん遊んであげよう。魔導の力を秘めた、ちいさなおんなのこ。





うさぎの溺死 /090915
(title:たかい)
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