お、と口から声が零れて、慌てて手で塞いだ。それだけで気付きそうにはなかったけれど、人の気配には聡そうだと思ったためだ。
(アフロディ…だっけ)
替えのタオルを取りに、綱海がキャラバンへとやって来ると、先客がいたのだった。つい先日仲間になったばかりの美しい少年が、すやすやと寝息をたてている。そういえば先程マネージャー達と何か話していたし、ひと足早く休憩をとっているのかもしれない。慣れない地でのハードな練習は、誰にだって過酷なものだ。アフロディが座っている座席は控えめに後ろの方で、腕を組んだまま窓に頭を凭れさせていた。金色をした細い髪に陽光が反射して、きらきらと輝いている。
彼は神を騙っていたのだと、仲間から聞いたことがあった。わざわざ言わない辺り、それなりに嫌な過去なのだろうと思う、のだが。
(神さま、つーか。女神さまみてえ)
彼に失礼だと思いつつ、初めて姿を見たときから『女子のようだ』という感想があった。同じ男でこうも美しく、同じ人間でこうも神々しい者がいるとは、何だか信じがたいように思えた。じいっと見つめていると、視線に気付いてか気配を感じ取ってか、アフロディは薄く目を開けた。思いのほか近くにあった相手の顔に、互いに驚いた表情になっている。とりあえず綱海は、「よお」といつもの調子でこれを濁してみた。ぱちくりと瞬きを繰り返し、ようやく意識が覚醒したらしいアフロディが、微かに警戒を示す。
「…何か用かい」



こっから先がマジで思いつかなくて投げた
無防備な照美とそれを見ちゃった綱海てのが書きたかっただけ

2010/05/05



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