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『別れて欲しいの』



その一言がどんなに俺を狂わせるか、なまえは知らんやろ?
好きで好きで堪らん相手に拒まれたら奈落の底に突き落とされるよりも残酷で悲惨なモンやで。



「何で?何でそない事言うん?俺なんかした?なまえの為に頑張ったつもりなんやけど駄目やったん?」

『いや、白石くん…束縛激しいのがもう、辛いの…っ』

「それはなまえのこと愛しとるから心配になるんや。他の奴に目移りせぇへんか心配やねん。やから、別れるとか言わんといと…俺、なまえがおらんと死んでまう。」



なあ、なまえ。


俺、別れるとか認めんで


だって、なまえ言ったやん
俺が告白した時、『私も好き』って

それって嘘やったん?




『だから、そういう重いところが無理なの…っ!』

「……そうなんや、」

『ごめんなさい、』



なまえは俺に『死ね』って言いよんのやな

そうやろ?

だって、なまえに愛されへん俺は要らんやろ。




「分かったわ。俺、死ぬわ」

『…え、』

「なまえと別れる位やったら死んだ方がまっしや」




俺は制服のポケットから錆びたカッターを取り出し、歯を出す。


それを首に当て、一気に力を込めようとした時




『や、やだ…止めて!別れない。別れないから!!』

「…ホンマに?」

『うん。』

「また、俺を愛してくれるん?」

『うん。』




なまえはホンマ優しいなあ


ホンマありがとうな。



めっちゃ愛しとるで





(嗚呼、俺は幸せ者やわ。)


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