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『きゃあ!』
蔵ノ介くんの部活が終わって、他愛のない話をしながら一緒に帰っていると足をつまずけて、転びそうになった。
間一髪で、蔵ノ介くんが私の体を支えてくれたから助かったけど、恥ずかしい
「大丈夫か?なまえはドジなんやから気ぃ付けんと、」
『ご、ごめんなさい…い、たっ!』
立ち上がろうとするが足をくじいてしまって立ち上がれない。
すると、急に体が軽くなったかと思ったら、蔵ノ介くんが私をおぶってくれていた
『重いでしょ?無理しなくていいよ』
「全然重くないで、むしろ軽いわ。ちゃんと飯食っとんのか?」
そして、蔵ノ介くんは私をおぶったまま歩き出す
子供みたいで恥ずかしいけど、今は温かい蔵ノ介くんの背中に委ねていたいと思った
『蔵ノ介くん、あったかい』
「なまえがおるから、あったかいんやわ」
『どういうこと?』
「なまえとおると、あったかい気持ちになるっちゅー事や」
私が頭上にクエスチョンマークを浮かべていると蔵ノ介くんは私の方を向いて「まあ、なまえが好きって事や」って爽やかな笑顔を向けて言う。
『蔵ノ介くんは優しいね』
「そない事ないで?」
『ううん、女の子達がいつも言ってる蔵ノ介くんは優しいって。』
「でも、俺が特別優しくしとるのはなまえだけやで」
『本当?』
「おん。やから、ずっと一緒におってな」
蔵ノ介くんは、優しい笑みを浮かべて、
私に触れるだけのキスをした。
(なまえ、好きやで。)