お昼を食べた後の五時間目って、すっごく眠い。しかも今日の五時間目は、俺の嫌いな歴史。
先生はムサい男だし、窓側の席だったら女の子の観察でも出来るのに、生憎俺は廊下側の一番後ろの席だし。ちょっと寝ててもバレないラッキーな席なんだけど、この歴史の先生がまた居眠りにうるさいんだよねー。
浮ついている意識の端っこで、小さく欠伸をする。あ、溜め息は吐かないよ?ラッキーが逃げちゃうからね。

ふと気になって、前の席に目をやる。
俺の彼女は、俺の前の席なんだ。でもこれは俺の運じゃなくて、運命なんだって信じてる。って彼女に言ったら、「クサイよ」ってちょっと笑われちゃったけど、その笑顔が可愛かったからまあラッキーかな?

どうやら彼女も眠かったみたいで、うつらうつらと頭を揺らしながらも、必死に起きようとしていた。
先生が黒板と向き合っている間に、前にある小さな背中を突ついてみる。ピクンと肩を揺らした彼女は、勢いよく此方に振り向く。

"なにしてるの?"
可愛らしく小さな字を書いたメモを渡してきた彼女。俺も先生の目を盗んで、そのメモに返事を付け足した。

"眠そうだったから"
見るや否や、返事を書いていく彼女。でも少し躊躇ったように、手がシャーペンを持ったまま静止する。かと思えば、ちょっとだけシャーペンを走らせて文字を書き足したみたいだ。そしてまた俺に渡す。

"見られてたかぁ(笑)"
何か特別な事が付けたされたのかと思ったが、特に変哲もない内容だった。
ん、右下に何か書いてる?見つけてそれを読む。…え、

「俺も!!」

無意識のうちに立ち上がり、声を上げてしまった。
クラスメイトの視線を独り占めした後、先生からの痛い一言。

「よし、そんなに放課後補習を受けたいなら、今日は残ってろ」

クスクス笑うクラスメイトと、してやったりの顔をした彼女。全く、普段は絶対言ってくれないのに、ずるいよなぁ。でも、このメモは大事にとっておこう。

"好きだよ"


とあるリア充の五時間目



2011.冬季拍手


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