「はい、桃」

俺が言うのもなんだけど、俺の彼女はカッコいい。クールだけど決して人当たりが悪い訳ではない。真面目ちゃんっぽい見た目をしてるけど、普通に冗談も通じる。女子からも男子からも好かれている。まああんまり調子こいてる男子は俺が定期的にシバいてるけど!俺のだっつーの!

「あんがと!今日のも美味そー!」
「冷食ばっかだけど?」
「そういうこと言っちゃう?」
「ごめんねー、可愛げなくて」

透き通るような声で発せられる言葉は、全部綺麗に感じる。例えばこいつが「大嫌い」なんて言葉を口にしたとしても、俺はいつものように綺麗だな、と感じるだろう。…いや、やっぱすげーヘコむ。想像しただけでも立ち直れない!

「なあなあ」
「んー?」

肩にかかるしなやかな黒髪を耳にかける。その何気ない動作すらも大好きで。

「あーん、ってして」

口をあんぐり開けて待機してみる。あんまり期待はしてないけど。

「…ばーか」

少しだけ熱を滲ませた頬が、すごく美味しそうに熟れていて、気付けば俺は吸いつけられるようにその甘い果実を貪っていた。


とあるリア充の昼食



2011.秋季拍手


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