※女主はいないよ




ダモクレスの剣が出現したのは、鎮目町からそこそこ距離のある町外れの、人気の無い公園(というよりは広場)上空。
柄に当たる部分は見る影もなく、鈍色のナマクラと化したソレに向かって手をかざすフードを深くかぶった人物を、タバコ片手にぼんやりと眺める。

「・・・器用なもんだな」
「・・・・・・」

フードの人物は応えない。

「さすがに喋る機能は付いてねぇのか」
「・・・・・・」

フードの人物は応えない。

「こっちの声は届いてるだろ」
「・・・・・・」

フードの人物は応えない。

「草薙の手前、さっきは三年ぶりっつったが実際結構顔合わせてたな」
「・・・・・・」

フードの人物は応えない。

「あいつは元気か」
「・・・・・・」

フードの人物は応えない。


「・・・・・・ーーーーー


フードの人物は






「・・・何しているんですか、周防」
「あー・・・・・・俺が地雷踏んだ」

駆けつけた宗像率いるセプター4が目にしたのは、頬を腫らして公園の芝生の上に横たわる周防の姿。
他に人影は無く、周防のダモクレスの剣も消えている為、【ひーちゃん】はダモクレスの剣の修復を終えるや、宗像達が駆けつける前にさっさと退散したらしい。
ほんの数分前までいつダモクレスダウンが起きてもおかしくはない数値を示していた周防のヴァイスマン偏差は、ダモクレスの剣が修復された為にリセットされたのか、最底辺数値を示していた。
 
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