1 NighT
 
「簡単に言うが・・・それが出来なかったから今こういう状況になってるんだろ?」
『そうだ、だからこんな事になった・・・アルミンならこんな時どうする?』
「そうだな・・・僕だったら、」

まず、訓練兵を大きく2つに分ける。
成績上位者・・・ライナー、ベルトルト、アニが率いる班は前線に送られる班の半分と共にガス補給所を守りつつ、巨人の駆逐。
人数が集まれば巨人も集まるだろうから、残りの班で巨人を始末しながら誘導。
ある程度人数が揃っていたほうが、広範囲に広がって巨人を駆逐していくよりも効率は良い。

と言っても、任務は自体は住民の避難が終わるまで巨人を足止め出来れば良いのだから、撤退の合図が出たら速やかに退避する事。

ライナー達には負担をかけるが、確実に犠牲を少なくするのを考慮すると・・・これが最善だと考えられる。

「でもこれは理想に過ぎないし、実際心の余裕なんて全然無いし、上手くいく保証は無いよ」
『ああ、そうだな。だけどやるしかない。皆はどうする?』

同期一人一人の表情に視線を向ける。

「・・・ここに経験者は一人もいないんだ。それが一番効率がいいなら、やろう」
「そうです、皆さんやりましょう!私も先陣を切りますから!」

「死にたくないなら戦うしかない・・・なんとしても生き残るぞ!!」

その言葉に揺るがない覚悟を称えた眼で全員が頷いたのを確認し、密かに止めていたらしい息を吐き出す。
皆が何時でも動けるよう待機する中、再び“声”が話しかけてきた。

―戦場で気を抜くな・・・怖いのは皆同じ。どいつもこいつもおこちゃまだしな―
「(ああ、分かってる・・・死なせるよりはマシだろ?つか一言余計だ)」
―-・・・いい仲間を持ったな、アルミンは頭がキレる。そういう奴は重宝だぞ-―


噂をすればなんとやら。
アルミン本人が話しかけてきた。
アルミンはいざという時非常に頭がキレる頼もしい存在なのだが、自分に自信が無く、優柔不断な気があるのが難点だった。

「僕が立てた作戦で良かったのかな・・・」
「大丈夫。初陣で活躍しとけばオレ達は新兵にしてスピード昇格間違いなしだ」
「・・・・・・ああ、間違いない」

エレンの冗談(半分本気)に力強く頷く親友の姿に、自然とこの場に相応しくない笑みがこぼれた。
 
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