BetweEn NighT
 
これは、エレンがトロスト区の穴を大岩で塞いだ後の話。



「・・・詳しい話は後だ。オレは残党を片付けてくる」

エレン達の窮地を救ったリヴァイは、トロスト区内に残る巨人の掃討に向かう。
その背中が完全に見えなくなる頃、エレンの巨人の体は完全に蒸発し切り、既に跡形もなく消えてしまっていた。

初めから、そこには何もなかったかのように。

双剣を両太腿のベルトに固定していた鞘に戻し、ミカサとアルミンの隣に降り立つ。


「おい!お前ら大丈夫か!!」
「4人とも!怪我は・・・ってレスティ!!足から血が出てるじゃないですか!!」
「蒸発してねぇし・・・返り血じゃねぇだろ!それ」

穴を塞いだ大岩前に、少しずつ集まってくる104期生達。
ズタボロのレスティを見るや、途端に騒ぎ出すジャンとサシャ・・・気持ちはわかる。

『・・・訓練の時の怪我に比べればカスリ傷です』
「いやいやいやいや・・・オレらも訓練で怪我した事あるけど、」
「そこまで酷い怪我はしたこと無いぞ!?」

何言ってるんですか。
巨大樹の森で15m級の奇行種と戦った時なんか、肺にアバラが刺さりましたよ。




「「「「は?」」」」
『北の訓練の一つです』

敷地内の点在する巨大樹の森を囲い、中に巨人を放つ。
数はおよそ20。無論、奇行種も含まれている。

それを訓練生だけで掃討するのだ。

『流石に、食べられそうになったら教官の助けが入りますが・・・・・・どうしました?』

その話を聞いて唖然とする104期の面々。
サシャとコニー辺りは、青褪めて若干震えている。

「お、お前ら・・・なんつー訓練してんだよ・・・」
「ちょっと待て、お前、単騎討伐数いくつだ?」
『訓練で討伐した数は・・・え〜っと、40体くらいですね』

まさかの精鋭並みの実力とか。

『って・・・のんびりしている暇はないみたいですよ、先輩方』


いつの間にか、半刃刀身を握りしめ104期生を取り囲む駐屯兵の姿があった。

意識の戻らないエレンとエレンを抱き寄せるミカサ、ミカサに寄り添うアルミン。
3人を背に庇うように、レスティは再び双剣を抜き構える。

そして4人を庇うように、ジャンを筆頭とした104期生が4人を取り囲むような形で、駐屯兵達との間に立つ。
 
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