6 NighT
 
レスティとウィルの紹介を終えたエルヴィンと、
「やっべぇ、忘れ物したからまた後でねー!」と叫んでいたハンジが本部に戻り、
エレン達は、中断させていた古城の掃除を再開させた。(レスティ達も手伝ったよ☆)

結局、その日1日は全て掃除で終わった。



「30日後には大規模な壁外遠征を考えてると聞いた。それも今期卒業の新兵も早々に混じえると」

エルドが告げたそれに、当然、驚愕と疑問の声が上がる。
今回のトロスト区襲撃で、104期生達は精神的にも身体的にも大きな傷を負った筈。

それがいきなり、壁外遠征に駆り出されるともなると・・・

「今期の新兵はとても優秀と聞いたわ。オルオ、すぐに抜かされるんじゃない?」
「心配してくれなくてもガキ共には負けねえよ・・・だがな、良い兵士が出てくるのは良いことだ」

気持ち悪い喋り方するな・・・この人。とレスティが内心呟いたのは言うまでもなく。
付き合いの長さから察したウィルは何とも言えない苦笑いを浮かべていた。


「・・・壁外遠征は本当ですか、兵長?」

トロスト区での傷が癒えきっていない新兵を交えることにやはり不安を感じるらしい。
ただでさえ死亡率の高い調査兵団の中でも、新兵は特に死亡率が高いのだ。

「作戦立案は俺の担当じゃない。ヤツのことだ・・・俺達よりずっと多くの事を考えているだろう」

確かに、次の壁外調査はこれまでとは状況が異なる。


多大な犠牲を払って進めてきたマリア奪還ルートが一瞬で白紙になったかと思えば、今の今まで、一切の無関心を通してきた“北”が協力を申し出た上、突然、まったく別の希望が降って湧いてきたのだ。


「未だに信じられないんだが、“巨人になる”って言うのはどういう事なんだ?エレン」
「・・・・説明するのは難しいですね・・グレンさんに教えられるまで、オレも知らなかったので」

分かっている事は、唯一つ。
発動する為には、自傷行為と、明確な目的意識が必要だということ。

「・・・お前らも知ってるだろ。報告書以上の話は聞き出せねぇよ。あいつは黙ってないだろうが」
 
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