ズシン・・・ズシン・・・
振動と共に、先ほどレスティが両手足を切り落とした巨人二体が再生を終えて近づいてきていた。
咄嗟にアルミンとミカサがエレンを守るように構えるが、もうガスの無い二人では相手にならないだろう。
「うわぁ!」
「エレン!?」
渾身の力で起き上がったエレンが、二人の腕を引いて背後に移動させると、
落ちていた誰の物か分からないブレードを構える。
そして、3人を背に庇うように、巨人と彼らの間に立つレスティ・・・
『大丈夫、皆さんは・・・私が守ります』
ゆっくりと振り返り、危機的状況とは思えない穏やかな微笑を浮かべる。
そして、アンカーを向かって右側の巨人の額に打ち込み、飛んだ・・・
「ほう・・・悪くない」
レスティが右側を歩く巨人の首を、項ごと飛ばすのとほぼ同時に、
左側を歩いていた巨人が、血飛沫を上げて倒れた・・・項が大きく削がれている。
倒れた巨人の上に立つのは、背中に自由の翼を掲げた小柄な男だった・・・
「オイ、ガキ共・・・これは、どういう状況だ?」
―-エレン、よくやった・・・初めてにしちゃ上出来だ-―・・・そりゃどうも
―-嬉しくなさそうだな-―当たり前だ!だって・・・オレは・・・・・・・・・バケモノじゃねえか
―-・・・お前はバケモノになりたいのか?-―・・・?
―-エレン・・・お前は、お前が人であろうとする事を諦めるな。お前自身が諦めたら、その瞬間からお前は、本当に人じゃなくなる-―・・・悪い
―-気にするな・・・多分、お前が次目を覚ます場所は地下牢だ-―・・・そうなるだろうな。いつ巨人化するか分からない物を隔離するのは当然だ
―-割り切ってるな・・・・・・安心しろ、悪い結果にはならねえ。なったとしても力尽くでコッチに受け入れてやる-―アンタ・・・マジで何者だよ
―-次期分かる・・・今は休め-―[ 10/10 ]