・・・何か忘れてる・・・・・・・・・“北”?、“北”と言えば!!
「そうだ、グレンさん!レスティは!?アイツ確か怪我して・・・」
「ああ。アバラ6本砕けてる上に内臓破裂寸前、オマケに両足大腿部の筋肉と腱がバッサリ」
「ッ!!!」
骨折はしているだろう予想はしていたし、両足を怪我していることも知っていた。
だがここまで重傷だとは思わなかった。
立体起動装置で普通に飛び回ってたし、あの子。
「今はここの医務室で寝てるぜ」
豚共が、アイツから“北”の情報を引き出すために運ばせたらしい。
・・・まぁ、この一週間、目を覚ましても豚が現れたら、途端に眠ってしまっていたらしいので、情報を引き出された心配は無いのだが。
「北の噂は色々聞いてるだろうし、妙な真似はしねえだろうしな」
万が一の事があっても、レスティは自分が怪我していようが病気に罹っていようが気にせずアッサリ返り討ちにするので問題はない。
「隊長ってさ・・・時々あの子のこと“女の子”と思ってないですよね」
「・・・少なくとも、“子供”とは思ってねえよ」
というよりも、思えねえ。
最後にボソッと付け加えられた一言に、「あ〜」と納得の様子を見せるウィル。
意味が分からずエレンは首を傾げ、リヴァイ達は再び置いてけぼりを喰らうことになった。
4人は実際にレスティに会った訳ではないので、無理もないのだが。
「エレンのトロスト区での単騎討伐数は・・・14だったな」
「うん」
「レスティの単騎討伐数、トロスト区だけで23だ」
「「「「「!!!????」」」」」
ついでに北方面駐屯隊では実践訓練の一つに本物の巨人を敷地内に何体か野放しにし、訓練生に討伐させる・・・というものがある。
勿論、ヤバそうな時は上官が助けに入るのだが・・・
「その訓練での数も合わせると63。上官が助けに入った回数はゼロ」
104期の中でもずば抜けた好成績を誇るミカサですら、流石にそこまでは討伐していない。
・・・確かに、大人の庇護を必要とする“子供”とは、思い難い実力だった。
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