「・・・・・・豚共が・・・」
「あ、ちょ、ちょっと隊長!?」
苛立ちを通り越して嘲笑うかのような口調で、ボソッと呟き、刀の柄に手を掛ける。
それを見ていた、金髪を筆頭に黒服がワタワタと慌てだした。
「そんなんだから、テメェ等は家畜なんだよ」
抜刀した刀を逆手に持つと、ドスッと床に突き立てた。
ズズウゥゥン・・・「ッ!!」
「な、何だ!?」
「隊長〜少しは加減してください」
重々しく響き渡る、地の底から響くような音に、軽いパニック状態に陥った。
圧し潰されそうな重圧に耐え兼ねて、貴族連中が次々と倒れていく。
訓練を積んでいる兵士も、何人かは意識を失い、他には立っているのがやっとの者や・・・
「ミ、ミカサ・・・大丈夫?」
「平気。エレンも大丈夫そう」
「・・・なんだったんだ?」
「何だ?今の」
「リヴァイも大丈夫そうだな」
何が起きたのか分からず、ケロリとしてる者もいた。
その状況に満足したのか、突き刺した刀を抜き、パチンッと音を立て刀を鞘に戻す。
「大佐、少しは加減をしてください」
「これでも加減はしたほうだ。死人は出てねえ」
「基準そこですか!?」
どうやら今のはかな〜り加減したらしい。
本気を出していたら、確実に死人が出ていたとかなんとか・・・
「ただの殺気でこのザマ。素人の浅はかな考えに任せるのは、逆に危険だ」
「し、しかしだなぁ!!コイツが暴れだしたらどう責任を取るつもりなんだ!?」
正論っぽい事を言ってるグレンだが、その口調と表情には侮蔑の色が伺える・・・
明らかに貴族達の事を馬鹿にしている。
豚でもそれが分かったらしく、殺気に気圧されて言い淀みつつ、顔を真っ赤にして怒鳴り散らす。
うるさいなぁ・・・と言いたげに溜め息を吐き、もう一度殺気を飛ばそうかと親指で鍔を押し上げる・・・
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