4 NighT
「・・・・・・豚共が・・・」
「あ、ちょ、ちょっと隊長!?」

苛立ちを通り越して嘲笑うかのような口調で、ボソッと呟き、刀の柄に手を掛ける。
それを見ていた、金髪を筆頭に黒服がワタワタと慌てだした。

「そんなんだから、テメェ等は家畜なんだよ」

抜刀した刀を逆手に持つと、ドスッと床に突き立てた。




ズズウゥゥン・・・

「ッ!!」
「な、何だ!?」
「隊長〜少しは加減してください」

重々しく響き渡る、地の底から響くような音に、軽いパニック状態に陥った。

圧し潰されそうな重圧に耐え兼ねて、貴族連中が次々と倒れていく。
訓練を積んでいる兵士も、何人かは意識を失い、他には立っているのがやっとの者や・・・


「ミ、ミカサ・・・大丈夫?」
「平気。エレンも大丈夫そう」

「・・・なんだったんだ?」

「何だ?今の」
「リヴァイも大丈夫そうだな」


何が起きたのか分からず、ケロリとしてる者もいた。


その状況に満足したのか、突き刺した刀を抜き、パチンッと音を立て刀を鞘に戻す。

「大佐、少しは加減をしてください」
「これでも加減はしたほうだ。死人は出てねえ」
「基準そこですか!?」

どうやら今のはかな〜り加減したらしい。
本気を出していたら、確実に死人が出ていたとかなんとか・・・

「ただの殺気でこのザマ。素人の浅はかな考えに任せるのは、逆に危険だ」
「し、しかしだなぁ!!コイツが暴れだしたらどう責任を取るつもりなんだ!?」

正論っぽい事を言ってるグレンだが、その口調と表情には侮蔑の色が伺える・・・

明らかに貴族達の事を馬鹿にしている。
豚でもそれが分かったらしく、殺気に気圧されて言い淀みつつ、顔を真っ赤にして怒鳴り散らす。

うるさいなぁ・・・と言いたげに溜め息を吐き、もう一度殺気を飛ばそうかと親指で鍔を押し上げる・・・
 
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