3 NighT
 
「・・・悪くない。エルヴィン、コイツの世話は俺が責任持つ。上にはそう言っておけ」

格子を掴み、真っ直ぐエレンを見据えるリヴァイの瞳には凶暴な光が宿り、口元には薄らと笑みが浮かんでいる。
肉食動物のようなそれに、エレンは思わず身震いした。

蛇に睨まれたカエルの気持ちが、分かったような気がする。

「俺はコイツを信用したわけじゃない。コイツが裏切ったり暴れたりすればすぐに俺が殺す。上も文句は言えんハズだ」

俺以外適役はいないからな・・・そう言いつつも一瞬何かを思案する素振りを見せたリヴァイだが、すぐに表情を元に戻した。





「認めてやるよ。お前の調査兵団入団を」




「・・・珍しいな、リヴァイがそこまで言うなんて」

エルヴィンの声にハッと我に返ると、口の中がカサカサだった。
どうやら口を半開きにした状態でボケ〜っとしてしまっていたらしい(しかも結構な時間)。

ワタワタとしながらもう一度リヴァイに視線を向けると、エレンへの興味が失せたのか視線を外された。

「もう少しの間だけ辛抱してくれ。我々が何とか話をつけてみる」
「・・・はい」

エレンが頷いたのを確認すると、エルヴィンとリヴァイは地下室から出て行く。
途中何かを思い出しのか、エルヴィンは立ち止まって振り返り、柔らかな微笑みを浮かべた。

「君は同期に恵まれているね。君が巨人とみなされ攻撃されそうになった時、彼らは体を張って君を守っていた・・・」

心配しなくても大丈夫だ。
君も、君の同期も、悪いようにはならない。

何より、これまで“南”に対して一切の無関心を貫いてきた“北”が、
初めて“南”の前に姿を現し、エレンと、エレンを庇った104期生を弁護したのだから。


優しい笑みと共に、最後に何やら気になる事を言って扉から出ていく二人を見送ると、エレンは詰めていた息を吐きだした。
 
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