2 NighT
 

「(・・・なあ、さっきアンタが言った方法なら、全部うまくいくのか?)」
―うまくいくかは・・・皆がお前を信じてくれるかどうかによって変わるな―
「(そうか・・・・・・)」
―まあ、ダメだった時は俺達がお前を守ってやる。安心しろ―
「・・・・・・・・・」
―けどエレン、このまま何もせずに皆が死んだら・・・お前はきっと悲しいぞ―


その問に黙ったまま頷いたエレンの金の双眸には、これまでに無い強い光が宿ってた。


エレン達の所にライナー、ベルトルト、アニも合流し、三人の無事な姿に安堵する同期達。
(レスティのことはアルミンが説明した)
だが、今はのんびり仲間の無事を確認している時間は無い。
“声”に言われたことを実行するなら早い方が良い。

『俺とレスティで巨人共を引き付ける・・・皆はその隙にガスを補給してくれ』

事情を知らない人からすれば無謀極まりない、突然のエレンの発言に、アルミンを始め、同期の面々からは一斉に非難の声が上がる。
当然の反応だろう。
一方の巻き込まれたレスティは“声”の指示なのか、それともこうなる展開を読んでいたのか、無表情で落ち着いていたが。

アルミン曰く、エレンとレスティは確かに強いが、さすがにこの数を相手に二人だけは危険すぎるとの事。
他の皆も言いたい事は大体同じらしい。

『大丈夫。その代わり俺を信じて欲しい』
「エレン、私は貴方を信じてる。だから私も残る」
『いや、ミカサは皆に付いていってくれ。補給所の中にも巨人がいるはずだ』
「でも!」
『大丈夫だ、俺を信じろ』

覚悟を秘めた黄金の瞳に気圧されたのか、それ以上反論を述べる者はいないようだ。
エレンはひらりと建物の屋根から飛び降りた。



その様子を終始無言の無表情で見下ろしていたレスティは、ミカサとアルミンに振り返った。

『・・・これからエレン先輩は喋る事ができません。後は皆さんの判断にお任せします』
「え、それってどう言う・・・あっ待って!」

それだけ言うとエレンの降りた道を挟んで向こう側の建物にアンカーを打ち込み、飛び移る。
言葉の意味が理解できないアルミンは絶賛フリーズタイムだった。
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