1 NighT
 
先ほどのエレンの姿に自信が持てたらしく、巨人一体に対して3、4人がかりで挑み、少しづつ、確実に成果を上げていった。
エレンもまた、実戦経験を積みに積んだ精鋭兵士の如く立体起動装置を操り、確実に巨人の項を削いでいく。


途中で何人かの兵士(多分駐屯兵)を拾いながらも巨人を仕留め、なんとか辿り着いた補給所の付近では、群がる巨人相手に交戦が続いていた。
おそらく小さいサイズは中には入り込んでしまっているだろう。

“声”の読み通りの展開に内心舌打ちをすると、見知った人物がエレンに駆け寄った。

「エレン!」
「ジャン!マルコ!どうなってる!?」
「お前の言った通りの展開だ、エレン。その上補給の連中は任務を放棄して籠城しやがった」
「作戦は良かったけど、僕達の実力不足だ。何とか7体は始末出来たんだけど・・・」
「エレン!どうしましょう・・・こっちは殆どガスが無くなっちゃいました!」

どうやらサシャのところだけでなく、他の班でもガスが足りず、撤退が出来なくなってしまっているらしい。
ガスが足りないのはエレン達も同じだが・・・

今、屋根の上には散っているとはいえかなりの人数の訓練兵が集まっている。
これだけ密集していれば、いずれ他の巨人もこちらに向かってくるだろう。

―籠っちまってるのはおそらく訓練兵か・・・チッ、上が屑だと死んでいくのは若いやつばかりか―
「(どうする・・・このままじゃ・・・)っ!、ミカサ!!」

思案していると後衛の方から立体起動でミカサが飛んで来た。
住民の避難は完了したらしい。

「エレン。貴方の言った通り、豚の所為だった」
「ガスは入れてきたか?」
「入れてきた」
「っし!上出来だ!!」

ぐしぐしとミカサの頭を撫でてやると、それが嬉しかったのか、頬を染めてマフラーで口許を隠す。
ジャンが凶悪犯負けず劣らずな顔で睨んできたが、状況が状況なだけに盛大な舌打ちをしただけで特に何も起こらずに済んだ。
 
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