ビーッビーッビーッ…
B12の全フロアに警報が鳴り響く。オレも含め、回りの奴等が騒ぎ出す。耳を澄ませてみると、何処からかカチャッと鍵が開く音が鳴るのを聞いた。

「……まさかな」

オレは重い腰を上げる。
今の今まで何もすることがなく、ただ同じフロアにいた奴と一言二言交わすだけの毎日。何故こんな場所に押し込められなくちゃならなかったのか…正直言うと分からなかった。でも

「おい餓鬼、今の音聞いたか?」
「餓鬼じゃない。輝だ。…鍵が開く音がした、間違いない」
「嘘っ!?じゃあ僕たち出られるの゙っ!?……ず、頭痛がっ…」
「(脱走…これはいい調査ができるチャンスという事でしょうかね?)」
「……じゃ、出られる?」
「ねぇ!試しに押してみようよ!」

みんな脱獄したいという気持ちは一緒みたいだった。B12の男ばかりが詰められている牢獄。そこから逃げるとどうなるかは分からない…。上手いこと看守や他の奴等から上手い事逃げて脱獄できるか、或いは


失敗するか。


(ま、コイツら蹴落としていく覚悟じゃねぇと無理って事なのかな?)

オレはグッと腕に力を入れて檻の扉を開く。案外すんなりと開いた扉にオレは驚いたが、少し顔を出して辺りを見渡す。
看守は見えない。足音も上の階の奴等と下の階の奴等、それと同じフロアの奴等の分しか聞こえない。どうやら、オレ達が閉じ込められていたB13・12・11で異状があったんだろうな。上手く聞き取れないが、女子が閉じ込められていた牢獄も開いたみたいだ。

「さて、どうしましょうか?皆さんは逃げるんですよね?」
「当たり前だろ?因みに俺は勝手に行かせてもらうぜ」

ピンクの髪の…はじめ(だったっかな?)って奴は手をヒラヒラと振りながら出ていった。

「じゃあオレも行く。とりあえず何処に何があるのか知りたいし…」

オレは辺りをもう一度見渡して檻から出た。まだ警報が鳴っている…看守が来るのも時間の問題か。

まぁ、捕まるまで、逃げてやる!


さぁ、脱獄の始まりだ

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