「ねぇ、蒼夜兄のしているピアス、何でバラバラやの?」
「?」
今日も俺と姫の2人はぐみの付き添いで巽の家に来ている。マンキンを返す為だとか言いながら、ちゃっかりBW持っていく辺り狙っていると思う。どうせ後少ししか一緒に居れないからだろうが…
サブマスがどうたらこうたら言っている持ち主2人の側では、姫とヤストがおっさんにネット語の説明をしていた。おい、しっかりしろよおっさん。仮にも携帯だろうが…
ベランダで煙草をふかしていたが、暇になったから部屋に入り、ぐみが俺に入れた音楽を聴いてた…そしたら
「ねぇ何で?」
マオが首を傾げながら俺にピアスの事を聞いてきた。
「何で気になる…」
「だって、マブキ君は4つとも同じやのに…蒼夜兄のピアスは4つとも種類バラバラやから」
「あぁ…ぽんか」
まだ会った事は無いが、俺の遠い親戚らしい。ぐみがモノで電話をしている時に声だけは聞いてるが…
「嫌いだ…(ボソッ)」
「ん?」
「何でもない。ピアスな、ちょっと待てよ」
耳に付けていたのを一つずつ外して掌に乗せ、マオに見せる。
「こっちのノーマルのはモノに貰った」
「モノくんシンプルなの好きだからね!何となく分かるよ!」
「ピンクは姫から」
「姫ちゃんらしいや!可愛ぇな〜」
「黒はヤストから」
「ヤストくんもあげてたんや〜!あ、やったらこっちの古いのは?」
「これか?これは…」
マオに説明して一つずつ付け直す。誕生日に貰った奴がほとんどだが、最後の一つは…
「秘密だ」
「え〜!?なして?」
「大事な物なんだよ、マオもピアス欲しいなら巽に言えや」
「ぼ、僕はええよ。痛いの嫌いやから…」
耳たぶをギュッと掴んでいるマオに噴き出しそうになった。
はっ、相変わらず可愛い奴。
最後の一個は…
『持ち主様のところに行ったら、仲良くするのですよ?』
母(製造者)から―…
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