「本当に大丈夫か〜?」
「大丈夫だって!!八尋も帰って大丈夫だよ」
「じゃあ…ごめんな、集!」
八尋を思って居残り掃除を一人で引き受けて、帰らせた事を凄く凄く後悔した
PM 07:30
一人で掃除をしていたので予想よりも遅くなり外も暗くなった
「うーっ…!寒い…。」
季節は冬
で、今日は12月19日
一週間後はクリスマスというリア充によるイベントの日で学校中が色めき立ってる。凄く不愉快だった。八尋が帰ったのもクリスマスに好きな人に渡すプレゼントを買いに行ったらしい。このリア充め
ちなみに僕はクリスマスに予定があるわけではなく一人でだらだらと過ごす予定だ…。
「
クリスマスなんて…嫌いだ!」
何気なく僕は呟いた
暗い通路で一人で呟いたんだ
「ほう、奇遇だな。 俺もクリスマスが大嫌いだ」
「分かってくれる?」
「あぁ、凄く分かるぞ」
「クリスマスなんて…、って…え?」
と、此処に来て嫌な汗がじくじくと噴き出して来る
僕は今"誰"と喋っている?
此処の路地に"人"の気配は無い
それと同時に脳裏に過るのは、最近の学校でも"噂"
この学校の付近に幽霊が出るって言う…。
多分、此処での最善は逃げることだと思う。
しかし僕は…、
抗えぬ好奇心に負けて振り向いた
「嘘でしょ……。」
「嘘じゃない、俺は存在する」
「え、いや…だって!」
「……。」
「恙神涯…じゃん…。」
「!」
目の前に居るのは紛れも無く恙神涯と同じ顔立ちをしている
顔立ちは一緒だが髪の色や瞳の色は違った。恙神涯は金色の髪に金色の瞳だけど、目の前の"彼"は白だった。生気なんて感じさせない白だ。
「おい、お前。」
「は、はい!?」
「恙神涯を知ってるのか…」
「まぁ…、有名人だし…。」
「そうか…。」
「…?」
「おい、よく聞けよ」
「うん」
「俺はクリスマスが嫌いだ」
「うん」
「それと俺は幽霊だ」
「…うん?」
「俺に協力しろ、チビ」
「ちょっと待って!」
「どうした童顔チビ」
彼が幽霊だと言う事は理解していた。最近噂になってたしね。
でも、どうして僕なんだ
幽霊に会ったと言う生徒は僕が知ってるだけでも10人を軽く越えている
それなのに、何故僕?
「どうして僕ですか?」
「…?」
「いや、だから…どうして…」
「そんなの決まってるだろ」
「え?」
「お前がクリスマスを嫌いと言ったからだ」
「…?」
「俺はクリスマスが嫌いだ、それと大切な目的が合って来たんだ。お前にはそれを…」
そこまで聞いてから僕は全速力で走った。体育の授業でも出してない本気で走った
わけのわからない事に巻き込まれるなんて絶対嫌だ!
明日から絶対に八尋を誘って帰ろうと誓いつつ僕は家まで逃げた