照れ屋も此処まで来ると | ナノ





白Side



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居残りの補習も終わり、(決して馬鹿では無くサボり分の補習)早く帰ってしまおうと思って、早足で廊下を駆け抜けた

下駄箱についたところで携帯が再び振動した。…嫌な予感もしつつ誰かと思い画面を見ると予想通り兄の名前が刻まれていた


俺は小さくため息をついてから電話に出た



「今度はなんだよ」
「大変なことになったんだ」

「はぁ…。大変なのは兄さんのキャラ崩壊っぷりだ」

「いや、そんなことよりだな」
「いや、そんなことじゃねえ」
「落ちついて聞いてくれ」
「兄さんが落ちついてくれよ」



あぁー…、昔のカッコ良かった兄さんはどこに消えたんだ本当

兄さんは俺の気持ちに気付かず、そのまま続ける



「実はな…、集が泊まりに来る事になったんだ」
「へえ」
「へえ…じゃないだろっ!」
「いや、俺に関係ないだろ…」

「白!いい加減にしろ!」


「兄さんが目を覚ませよ!!!!」



なぜ俺が怒られる
兄さんは…、もう頭が駄目だな



「良いか…。泊まるんだぞ?」
「それは聞いたよ」
「集が!俺の部屋で!寝る!」
「あぁ…、抱くのか?」
「は…」
「はぁ?」


何故か言い淀む兄さんに、俺は心配になり(兄さんの頭が)電話越しの声を真剣に聞く


と、その時





破廉恥だ!!


ブチィ
受話器の下がっているボタンを連打し、そのまま電源まで切る

兄の馬鹿らしい響きが頭の中で、未だに叫ばれ続ける


俺は仏の様に優しく微笑み、靴を取り出して校門を出て……



叫んだ




「俺にどうしろと!?!?」



叫び声は虚しく響いて消えた





(もういい、知るか!!)



-- 一方その頃 --

(涯〜、電話終わった?)
(! あ、あぁ!!)
(…? どうかしたの?)
(い、いや!なんでもない)