舞踏会に行くらしい義母達を玄関で笑顔で見送る 「いってくるわね!」 「いってらっしゃーい…」 ようやく家の中が静かになる。 僕は一人になったので、いつもの様に庭に出て一人で寝転がる。 僕は家の中に軟禁されているので時々、義母達の目を盗んでは外に出て空を見上げてみる 夜空はどこまでも広がっていて星は綺麗に輝き、時間を忘れてしまう。空を見上げながら僕は唱える様に、誰にも聞こえないように小さく呟く 「母さん…逢いたいよ」 義母に不満は無い。 でも家庭の温かみと言うものが…この家には欠落していた。此処は僕の居場所では無いと思えてしまうから、実の母親を欲した ただの子供の我儘だ…。 しばらくボーッとしていた。 星空が思考を奪っていく だから好きなんだ しかし、あまり長く出ていてバレてはいけないので、立ち上がり星空と別れを惜しみながらも別れを告げる。心を閉ざして、星空なんてどうでもいいという気持ちに切り替える これでいいんだ 一人と納得して家の玄関に向う Back |