「シンデレラー、ご飯まだ?」 「はいはい、もう出来るから」 「シンデレラー、あたしの服は?」 「そこの棚にしまってる」 「シンデレラー、床磨きは?」 「モップなら今朝やったから!」 どうしてこう義理母達は何もしないんだろう。まったく、僕にばっかり頼らないで欲しいね…と心の中で悪態をつきながら、ご飯の盛り付けを始める。お皿に炊けたばかりの白米を盛り、じっくりと煮込んだルーをかける。今日のご飯は簡単にカレーだ、毎日献立を考えるのも一苦労なんだ 「はい、出来たよ義姉さん」 「ありがとー!シンデレラ!」 「義母さん達もご飯だよー」 声を張り上げて呼ぶとドタバタと音を立てて降りて来た、煩かったけど言うのはめんどくさいのでスルーした…と、そこで降りて来た義母の格好が気になった。いつもの部屋着ではんく真っ赤なドレスを身にまといバッチリと化粧をしていたので気になり義母に尋ねる 「義母さん今日は何かあるの?」 「今日は舞踏会なのよ」 「へぇ…義姉さん達も行くの?」 「「勿論行くわよ」」 そう答えた後に義姉さん達は"王子様"とやらについて騒ぎ始めていた。そんな中僕は今日は一人でお留守番なんだと悟る。義母達は何故か僕を外に出したがらない、軽い軟禁状態だ。だから今日の舞踏会なんて行ける訳もないと元より分かっているので愛想笑いを浮かべつつ呟く 「気をつけて行って来てね」 「シンデレラあたしを心配してるの!?」 「何言ってんのよ?あたしでしょ?」 「私に決まってるじゃない!」 ご飯の時くらい静かにしてくれないだろうか、切実に Back |