「どうしようっ…!」 屋上に逃げたのは良いが、いつまでもここに居ることは不可能だ。それに鍵をしていると言っても先生が着たら終わりだし、しかし此処を出ると誰かに会う確率もあがるし…! 僕はフェンスに、しゃがみ込んで顔を埋め一人呟く 「バレた…よなぁ…。」 「そうだな」 「!?」 埋めていた顔をあげると、そこには陰からいつも見ていた顔があり息を飲む 「っ…!?」 「久しぶりだな、集」 「涯…っ!?」 本当は涯なんて呼び捨てにするような間柄でも無いのだけれど、目の前にいつも陰から見ていた人が目の前に居て…しかも先程告白した相手が目の前に居ると言う状況で僕は動揺していた 目の前に居る涯は眉一つ動かさず言う 「俺の事が好きなのか?」 「…、」 「目の前の集の口から聞きたい」 「……っ」 「どっちだ、集?」 「すっ…好きっ、です!」 頭の中が真っ白になっていくのを感じつつ、俯いていた顔をあげると目の前の涯は嬉しそうに笑っており、わけが分からなくなっていく 「あの、その…!」 「お前は俺と会った時の事を覚えているか?」 「ふぇ?…えっと、半年前ですよね…?」 「やはりな、しかし違う」 「?」 どう言うことだろう…? 僕は彼と半年前に会っただけなのに…。僕が露骨に惑いを見せたからだろう。涯は僕の腕を掴み立ち上がらせて言う 「やはり忘れているか…」 「ねぇ…何のことを…?」 「なぁ、通りすがりのヒーローって知ってるか?」 「ふぇ?」 知ってる…。と言うより忘れ去りたい記憶の一つである。僕の黒歴史だ…、そして僕がその名前を名乗ったのは確か…、公園だった気がする Back |