煙草風味 | ナノ



部屋に入ると独特な臭いがした
それは煙たくもあり涯が手にしている物を見て即座に理解する

僕は顔を顰めて言う


「ねぇ、煙草やめてよ」
「お前に関係ないだろうが」


涯は関係ないと言うが僕にはあるのだ、大いに関係ある
僕は涯の座るソファーの前に立ち涯の持つ煙草を取り上げて言う


「キス不味くなるじゃん」
「お子様だな」
「煙草の味するの嫌なんだよ」


と、言い終わったと同時に重ねられる唇
煙草の独特な味が僕の中に入ってくる気がした。やっぱり変な味だ

涯はしてやったりと鼻で笑う


「どうだった?お子様」
「やっぱり不味いね」


いつもと違っていいかもと思ったのは秘密






( 涯、もっかいだけしよ? )
( お子様は欲張りなんだな )


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