短い廊下を歩いて、席へと案内される。私が席に座ると隣に切嗣が座った。 席から周りを見渡せば美しいドレスを身に纏った美人な女性が先程写真で見た男性と楽しく談笑しながら呑んでいた。 普通の仕事用のスーツで来た私は店内に入ると更に浮いていた。街の中でも浮いていたのが更に酷くなって浮いてしまっていた 「アルトリアはホストクラブ初めてなの?」 「え…っ?!あっ、はい!」 唐突に隣から切嗣に声を掛けられたのと、名前を呼ばれた事で心臓が跳ね上がる 先程から心臓がうるさい 肩が触れ合うほどの至近距離に男性が居て、ドキドキしている自分が居る 「あ、あのっ!」 「ん、どうかした?」 頭の中は空っぽで、口を開いたのは良いものの何を言えばいいか分からない。必死で頭を回そうとするも思考回路は完全に停止した。困り果てていると、切嗣は私を見て唐突に肩を震わせて―― 「っ…」 「…?切嗣さん?」 「アハハハハハッ!面白過ぎるよ!アルトリア!」 「…?」 爆笑してしまった 唐突に笑いだしてしまった切嗣に困っていれば、一頻り笑い終えた切嗣が肩を震わせたまま説明を始めた 「いやぁ…ホストクラブで緊張して話せない子なんて…滅多に居ないから…っ!つい…っ!」 「だ、だって!」 「だって?」 「は…、恥ずかしいじゃないですかっ!」 ← / → Back |