歩いていても独特な雰囲気に飲まれそうになる。気を紛らわせるために壁に目を向ければ、綺麗な顔をした男性の顔がたくさん並んでいた。この店のホストなのだろう 皆カッコいいなあと思いつつ足を進めていけば、金色の枠に飾られた男の顔が視界に飛び込んできた。枠の上には【NO.1ホスト】と書いており――戦慄する 「…嘘、ですよね」 「ん?どうかした―?…あぁ、恥ずかしいからあまり見ないでよ」 金色の枠に飾られた男の顔は、紛れも無く…切嗣だった。 隣の彼が恥ずかしそうに苦笑いを浮かべる。NO.1ホストが隣を歩いていると思えば急に緊張する、足が重くなる そんな私の気持ちが読めたのか、切嗣は私の手を強く握った 「NO.1とか僕は気にしてないから、君も出来れば気にしないで?」 その言葉は明らかに私を安心させようと放たれたもので、緊張が少しずつ消えて行った ← / → Back |