「もしもし、僕だけど」 無機質な電子音で目が覚める。ボヤける視界で携帯を見つけて着信に応じれば聞き慣れた声が響いた 「――何用ですか?」 「あ、起きてたんだ」 「違います、起きたんですよ」 ベット脇にある時計を見れば針は丑三つ時をさしていた。深いため息を落として電話の相手に問いかける。 「こんな時間になんですか?」 「ちょっとね。もしかして機嫌悪い?」 「…当たり前でしょう」 真夜中に着信で起きるなんて――嫌に決まってる。 私が苛々しているのに対して携帯越しの彼は軽快に笑っていた 「何がおかしいんですか?」 「ハハッ…何でもないよ」 ―変だ。 とうとう頭のネジが数本落ちてしまったのかと心配になる。 いい加減に、こんな時間に電話をしてきた理由を問いただす。 「で、なんですか本当―」 ――答えてください、切嗣 ← / → Back |