好きじゃないです | ナノ




(※)学パロ


 アイツはまだ来ないのか
 校門の前で流石に苛々し始めたと同時に僕の探していた男は来た

「おはよう衛宮」
「遅刻だアホ峰、減点2点」
「相変わらずだな」
「…言峰綺礼で最後っと。帰ろう」
「一緒に行かないのか?」
「は?行くわけないだろ」

 普段と何ら変わりない顔で言う言峰を無視して点検簿を閉じる。そのまま職員室へ足を進めた
 一限も終わる時間に来て、ろくに反省の色を見せない遅刻常習者の言峰綺礼

 風紀委員の僕から見たら最低な奴だ

「衛宮…?」
「なんだよアホ峰」
「何処へ行くつもりだ」
「職員室に決まってるだろ」

「…そっちは運動場だと俺は思うんだが」
「……あれ?」

 目の前を見れば確かに運動場が視界に広がっていた
 進んでいた足を止めて運動場に背を向ける。そして職員室の方へと再度足を運んだ

 何をしてるんだ僕は…。
 言峰の事を考えて周りが見えなくなるなんて…、自己嫌悪に陥れば未だに隣に入る言峰が肩に手を置いて

「大丈夫か?」

 と珍しく心配される
 言峰の触れた所がじわじわと熱を持っていく

「うるさい。考え事してただけだから、ほっといて」

 ぐるぐると思考を回して冷たい言葉を投げつける
 そして畳み掛けるように一言告げた

「早く行け、行かないなら減点1点追加だ」
「衛宮は誰の事を考えている?」
「とりあえず君じゃないのは確かだよ、行け」

 明らかに不服そうな表情をする言峰を教室に行かせる
 下駄箱から教室に行く言峰を遠目に見送ってから小さく溜息を吐きだす

「……あー、くそっ!」

 僕は…風紀委員として言峰の事が大嫌いだ。
 しかし―

「…好きじゃないっ!」

 衛宮切嗣としては嫌いなわけじゃない、好きなわけでもない。

 熱くなった顔を冷やすために水道に向かいつつ点検簿を開いた。
 ――言峰の減点を2点から1点に変えたのは僕だけの秘密





―恋をしちゃいけないなんて僕が一番知ってる。



***




言→(←)切
こんな感じの青春学パロが書きたかっただけです
ツンデレ切嗣が可愛すぎて吐きそう




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