哀れな天才 | ナノ




(※)学パロ



【生徒会規則第九条】

原則 会長一名、副会長二名、書記一名、会計一名、顧問一名の計六人で活動すること
 


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 放課後の生徒会室に一人の男の声が鳴り響いた

「おかしいであろう!」
「…何がだ」
「原則、と書いてあるだろう!なぜだ!」
「だから何がだ、主語を付けろ馬鹿」
「だから!」

 机をバンッ!と叩いて胸の中の鬱憤を吐き捨てるように叫ぶ

「なぜ我と綺礼の二人だけなのだ!」


 私立零高校生徒会室
 本来生徒会は、会長、副会長二名、書記、会計、顧問の全六名で活動するように原則として書いてあるのに、今の生徒会室には二人の人間しかいなかった

 先程叫んだ男は会長のギルガメッシュ
 冷たく受け流していたのは言峰綺礼という男だった

 ギルガメッシュ、と言峰が呼びかける

「今更そのような事を言うな」
「しかし…、原則なのだぞ!」
「悪いのはお前だ」
「うぐっ…」

 そう、現在の生徒会メンバーの二人は新入生であり生徒会に在籍している
 本来ならば有り得ないことだが、全てはギルガメッシュに原因がある




 ギルガメッシュは入学早々に生徒会室に殴り込みを行い、元々在籍していた生徒会メンバーを追い出した

 そして現在
 幼馴染である言峰と二人きりで活動をしている




 ギルガメッシュは言葉を詰まらせて、苦し紛れに言い訳をする

「し…仕方なかろう、奴らが低能だったのが悪い!」
「お前と他の奴を同じ基準で見るなと普段から言ってるだろう」
「そのような事…」
「あるだろう、しらを切るな」
「うぐっ…」

 本日二度目の反論を言えない声が上がった
 ギルガメッシュは世間一般的な言葉で言う天才だった


 習ってもいない事が当たり前のように理解できる


 それがギルガメッシュという人間だった
 そして…そんな自分という存在がギルガメッシュは心の底から嫌いだった

「全て理解できるというのが良いものだと思うか?綺礼は」
「……」
「まぁ綺礼から見れば、我の理解できるというものは良い物と思えるかも―」
「黙れ」

 酷く冷めた声が響いた
 言峰は作業をしていた手を止め、目の前のギルガメッシュを勢いよく机に押し倒す

「俺がお前と何年いると思っている」
「き…綺礼?」
「お前の苦しみくらい知ってるに決まってる」
「……っ!」
「だからそのような事を言うな、馬鹿」

 珍しく怒りに染まった瞳を見せる言峰に
 ギルガメッシュは場違いと分かっていながら笑いがこみあげて来る

「ふ、ふはは!」
「何がおかしい?」
「綺礼、お前だけは…」
「…」






「我を見捨てないでくれ」






馬鹿だな、見捨てる筈なんて元よりない。と言峰は珍しく笑顔で呟いた



***



生徒会パロディ!



ギルガメッシュ/一年生

一年生にして生徒会に入り、更には元より在籍していた生徒会メンバーを追い出したことで有名すぎる一年生。言峰とは幼馴染で、新しい生徒会メンバーが欲しいと常日頃から言っている


言峰綺礼/一年生

ギルの暴挙とも言える行動を楽しみながら見ていた鬼畜。別に新しいメンバーなんて邪魔だから要らないと思っているが、ギルの機嫌を損ねるため黙っている。影の会長的な感じ



此処から新たしいメンバーを探しに行ったりしたいな!長編になりそう!



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