精一杯 | ナノ





「夏樹に聞いて貰いたい事があるんだ…。」

 偉く真面目な顔で言うアキラ。
 よほどの大事なのかと思い真剣に話を聞いてみる

「んだよ、そんな顔して」
「いやな…、お前さ"精一杯"って言葉使って一文読んで」
「はぁ?」

 何を言うのかよ思えば…これは問い掛けだろうか?
 とりあえず神妙な顔のまま動かないアキラの為に答えてみる

「精一杯頑張りました…とか、こんな感じか?」
「あぁ…。うん…、やはり…。」
「だからなんだよ!」

 俺が答えたのに未だに神妙な顔をしているアキラに痺れを切らし、声を荒げればあっさりと言葉を返された

「精一杯って…エロいと思わないか?」
「死ね」
「いや、良く考えろ」
「死ね」
「精がいっぱいって…精液がいっぱいって感じがするだろう!」
「黙れ死ね」
「しかも頑張りました。なんてよ…ナニを頑張ったって感じで―」
「もう良い黙って死ね」

 ハァと盛大な溜息が洩れる
 どんな大事なのかと思えば小学生レベルの下ネタだった、死ねばいい
 
 ふと視線をアキラに戻せば、普段の憎たらしい顔で一言

「そんなわけだ夏樹。今から俺の精液いっぱいに…」
「触るな」

 押し倒そうとしてくる二五歳に遠慮なく裏拳を打ちこんだ



 今後一切、コイツの顔には騙されないぞと誓った




くそ…、夏樹に理解して貰えないとか…、アイツむっつりのくせに…。




***



アキ+夏って感じですかね?
アキラは変態だと私の中ではなってます(笑)



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