恋愛距離感の難しい幼馴染 | ナノ




(※)学パロ
アルトリアが中学生で、切嗣が大学生くらい。ギルとディルの扱いが酷いです


---



「いい加減に我の物になれ、アルトリア」
「黙れストーカー」



こめかみが引き攣る
今日はディルムッドが部活顧問のケイネス先生に呼び出しをくらって一人で帰る事になったのが最初に災難であり、一人で帰っている所をギルガメッシュに見つかってしまったのが二つ目の災難と言える。この場をどうやって切り抜けようかを必死で頭をまわした


「しつこい男は嫌われるぞ、ギルガメッシュ」
「はっ!そこらの雑種に嫌われようがどうでもいいわ」
「私は、お前が嫌いだ」
「嘘は良くないぞ?」
「私は嘘など言っていない、早く消えてくれ」


ギルガメッシュは普段と変わらぬ笑みを浮かべて言葉を発するが、私は大真面目に笑うこと無く発言している。私の今の顔は多分"無"だと思う。怒りに震えるわけでも無く、ただただ目の前の男から逃げる方法を淡々と考えている。その思考を遮るかのように喋り続ける目の前の男


「ふむ…、我の何が不満だ」
「全てだ、早く失せろ」
「我って完璧じゃないか」
「はぁ?寝言は寝て言って下さい、私は貴方に不満しかありませんが」


ギルガメッシュへの不満など数え始めるとキリがない。それこそ一年を使い切ってしまうぐらいの勢いで存在する。めんどくさい、の一言から始まり…ストーカー、我儘、煩い、我様、自己中、うざい、うっとうしい、うざいうざいうざい…考えるだけ無駄の様に幾つも存在するのに何を目の前のコイツはほざいているのだろう。

そんな事を考えていたからだろうか、私はギルガメッシュを前に油断をしてしまった。普段ならば決して油断はしないのだが…気を抜いてしまった、と言う方が正しい気がする。











チュッ

睫毛が触れてしまうほどの至近距離にギルガメッシュの顔が合って、そして唇は目の前の彼の唇によって奪われてしまっていた。

全身から嫌な汗が噴き出し、自分の出せる力一杯にギルガメッシュを突き飛ばした。カァッと顔が熱を帯びて行くのも、背筋が凍るのも、同時に起こってしまっていた。


「ふむ…」
「ギルガメッシュ…お前だけは…!」

『アルトリアァアアアアアアアアア!』


許さない!と叫ぼうと息を大きく吸ったところで、割と至近距離で大声が響いてきた。予想外の大きな声に驚いて、声のする方を見てみると、そこには見慣れた死んだ目の幼馴染がいた


「きっ、切嗣…!?」
「逃げるぞ、早く乗れ!」


予想外の事が起こり過ぎて軽く頭の中がパニック状態になっているけど、今のこの状況から逃げれそうなことは確かなので、切嗣愛用の自転車の後ろに跨る。それと同時に、人間と思えない様なスピードで、切嗣は自転車を漕ぎ始め、有り得ないスピードで自転車は進んでギルガメッシュから逃げ切れたようだった。




Next
「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -