喧嘩するほど | ナノ




「集、弁当食べるよ」
「珍しいね!自分から来るなんて」
「僕だって誘いに来るよ」


四限終了後
普段は僕がダリルの教室まで行って一緒に弁当を食べるのだけど、今日はどうやら僕の教室で食べたかったみたいだ。本当分かりやすいなダリルって

ずかずかと僕の席まで来て前の席をの椅子を勝手に取り、向かい合って座る。あそこは涯の席なんだけど…まぁ本人居ないし大丈夫だろう


「今日のメニューは?」
「中華にしてみたよ」
「へぇー、新しいじゃん」
「ダリルの好みに合うと良いんだけど」


ダリルは、ほっとくと昼御飯(酷い時は朝昼晩全て)が10秒飯で有名なゼリー食だったりするので僕が毎日弁当を作っている


「うん、美味しい」
「良かった!野菜も食べなよ?」
「分かってるよ!」


特に取り留めもない話をして(まぁ大体はダリルの愚痴を聞いたりしているのだけど)弁当も食べ終わると言う時にダリルの頭上に…分厚い本が降ってきた


「痛っ…!」
「勝手に俺の席に座るな」
「あれ、もうご飯食べて来たの?」
「あぁ…、それよりも集。なんでコイツが此処に居る」
「お前に関係ないだろ!ロン毛!」


ダリルの頭を本で(しかも角)殴ったのは涯だった。普段は弟の白い方と学食を食べている(実の所二人ともブラコンの気がある)のにこんなに早いのは、どうせ白い方が問題でも起こして一人でさっさと食べて帰って来たんだろうと推測できる


「此処は俺の席だ」
「まだ食べてる」
「さっさと食えよ」
「集と話してるから無理」
「尚更早く消えろ」
「嫌だ」


…どうしてこう、涯とダリルは仲が悪いんだろう。会う度に口喧嘩をしている気がする。確か白い方の涯ともダリルは、涯以上に仲が悪かった気がする。

とにかく早く食べよう


「ご馳走様!」
「意外に早く食べるよね、ダリルって」
「だってコイツが煩いもん」
「お前の存在が邪魔だ」


また喧嘩が勃発しそうなので、急いで残っている御飯を口に詰め弁当を片づける


「ご馳走様!ほらダリル行くよ?」
「分かった…。じゃあなロン毛」
「もう来るな」
「涯!席借りてごめんね?」
「集ならいつだって使っていいさ」
「ロン毛うざい」
「お前がうざい」


僕がダリルを廊下まで引っ張って行こうとしたところで再度口喧嘩が始まった。僕は何かもうめんどくさくなったので勝手に喧嘩させておくことにした。


こうして僕の昼休みは口喧嘩視聴と言う形で終わりを告げた




(実は仲良かったりして)

(何か言ったか集)
(何言ってんの集)

(…なんでもないです)






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