▼ 島左近と恋
バシュ!!
「ダブルフォルト」
「え〜今のは入ってたっしょ!!」
「馬鹿者が!!」
『負けるんじゃないよ!!』
ここは婆娑羅テニスコート
彼等が行っているのはソフトテニス
テニスの軟式版だが、一つ違うのは…
「く…!!何故刑部とでは無いのだ!!」
『仕方ないでしょ、くじ引きで決めたんだから』
悔しそうな三成にわかめは突っ込む
元々マイナーなスポーツ故、人数が少なくしかもルール上ペアしか組めないのだ
「三成様大丈夫っすよ!!
次は必ず入れますから!!」
『キミはもうちょっと反省しろよ』
クールなわかめは左近の同級生で成績トップ
今回は生徒会の集まりで何故呼ばれたのか分からずに来た
「わかめ見とけよ!!」
ビュンと左近が打つとラインギリギリに入ったが打ち返され
「そらよっと」
見事なスマッシュを決めて、次々点を入れていく
そして…
「ゲームセット、4−0で石田島ペアの勝ち」
「やった!!
見たかよわかめ、俺様の必殺スマッシュ!!」
『はいはい、凄かったね〜』
相変わらず冷めた様子で片付けをするわかめに膨れっ面の左近
「む〜」
『可愛くないから』
「ちぇ、なんだよもうかっこよかったとか言えよ〜」
帰り道が一緒なので解散した後、ラケットを回しながら文句を言う
『まだまだだね』
「くそ〜絶対言わせてやる!!」
『でも…』
わかめは後ろを振り向き
『スマッシュは悪くないよ』
ニコリと笑うと、左近は赤くなって
「よ、よし!!
島左近、まだまだ頑張るぞー!!」
夕陽に向かって叫ぶと、わかめは呆れた表情で
『まずはサーブの練習しなさいな』
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