「ねえ、この後どこに行くの?」

周りを見渡しても人ヒトひと。
その人混みの中に高校生3人組はいた。

「勿論ナンパに決まっ」
「却下」

悲しいぐらいに即答で返事を返す親友に少年はがっくりと肩を落とす。
それを見て園原杏里は微笑んだ。

「…真面目な話、切り裂き魔も居るし帰った方がいいかもな」

珍しく真面目な彼に杏里は俯き加減に苦笑した。

「そう、ですね…」
「園原さん?」
「まあ帝人が襲われれば杏里はめでたく俺の彼女って訳で
ラブラブスクールライフが俺を待っている!」
「…そう」

呆れたように生返事をする少年の横で杏里は伏せた瞳をほんの一瞬赤く煌めかせた。

03




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