このまま一緒に死んでしまいたくなる。宮坂はひっそりと考える。風丸に気付かれぬよう、ひっそりと。
風丸は宮坂とは違って皆に平等に優しくて、皆に笑顔を振り撒いて。
わかっている。風丸はそういう性格なのだ。そんな風丸だから宮坂は好きになったのだ。
でも独占欲は止まらない。

「風丸さん」
「ん?」
「俺のこと、好きですか」
「…宮坂」
「好きですか?」

嗚呼めんどくさい男だ。頭ではわかっている。宮坂自身自分がどんなに風丸の負担になっているのか理解はしている。
それでも、宮坂は聞いてしまう。困らせてしまう。

「…ごめんなさい」
「なんで謝るんだよ」
「だって」
「大丈夫、好きだよ、ちゃんと…宮坂」

風丸は困ったように笑う。
それでも安心できない宮坂は本当に嫌になる。
もういっそのこと溶け合って消えてしまいたくなるのだ。
















(110326)
第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -