「それで?」

皮張りのソファに座るクロコダイルは足を組み替え、男の顔に向けて紫煙を吐き出した。

「何が言いてぇんだよ、てめぇは」

男は珍しく下賎な笑いをその顔に称えていない。それにまたクロコダイルは怪訝に眉を寄せた。
溜息をつき、クロコダイルは葉巻を灰皿へ押し付ける。
そして新しい葉巻を懐から取り出し、男に火を点けるよう促した。
男が何を考え、何を思っているのかなどクロコダイルには関係のないことだ。
男は何も言わず素直にジッポでクロコダイルの葉巻に火を点ける。クロコダイルが紫煙を吐き出したところで、男は口を開いた


「女にフられた」
「それはもう聞いた」
「珍しく入り込んだのに」
「それも聞いた」
「俺は何か間違えたか?」
「知るか」


クロコダイルは呆れたように男を見上げた
ドフラミンゴは珍しく傷付いていた
何故自分の元へ来るのかわからない。女に付けられた傷は女に癒して貰うのが一番だ。

ドフラミンゴは気まぐれにクロコダイルの元へ訪れると、その度にクロコダイルを抱いた。
血気盛んなのは良いことだが付き合わされるこちらの身にもなれと、何度も伝えるが一度だってこの男が耳を貸したことはなかった。
所詮性欲処理なのだ。この二人の男の関係というものは。

それなのに、ドフラミンゴは今クロコダイルに癒しを求めている。これは如何なることなのか。
クロコダイルに知る術はないし、癒す術も知りはしない。















(越えてはならぬ線というものがある。)
(その線を跨いで愛を叫び心を慰めあうことなど)
(臆病な男達にはできなかった)















(110305)
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