君が俺を愛してくれるなら、どんなに幸せだっただろう。
こんな浅はかは願いは消えてしまえばよかった。こんな感情など、必要なかった。

「ヒロト、好きだって言ったらどうする?」

守は俺を見て笑う。
その瞳が好きだ、仕草が好きだ、声が好きだ、肌が好きだ、香りが好きだ、好きだ。

「好き、好きだよ、好きだよ守。俺は守が大好きだよ、ねぇ守、俺、俺ね、」
「うん」
「守になら、殺されてもいいよ、ねぇ守、殺して、殺してよ…!」
「どうしてそんなこと言うんだよ。」
「だって…!だって!」

涙が止まらない。
守は笑う。
ころころころころ、俺を見て笑うのだ。

「守は俺を好きになってくれないだろ…!」

守は笑う。

「うん、そうだな」


「俺は絶対に、お前を好きにはならねぇよ、ヒロト」


嗚呼どうして
酷いよ守
好きになってくれない癖に、どうしてキスなんてするの。
いっそ殺してくれたのなら。
そう願いながら、俺は守に縋り付くのだ。













(110225)
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