わかっていたのよ。そりゃあもううんとずっと昔から。
お兄ちゃんは私を愛してくれたけど、私の持っていた愛とお兄ちゃんが持っていた愛は全く別物。
私の愛は汚かった。
純白の真綿のようなお兄ちゃんの愛は私には眩しすぎたから、怖くなったのよ。
せめて私の汚い愛が純白の愛だったのなら、せめてお兄ちゃんの純白の愛が私と同じ汚い愛だったら。そう悲願したのは一度や二度じゃなかった。
でも無理な話だったのね。
お兄ちゃんの汚い愛は、私じゃなくて彼に向けられていたのだから。
初めから気付いていればよかった。でもその頃の私は幼過ぎて、幼稚過ぎて、ただただこの汚い愛を受け入れて欲しかったの。

好きよ、お兄ちゃん。














(110225)
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