ディランの目はとても澄んだ翠色だ
いつもはアイガードで隠された瞳も寝る間際になれば外してしまっていて、俺は何だかいけないものを見てしまっている気分になった
シャワーも浴びて寝るばかりの姿で俺はテレビ番組に夢中になっているディランの横顔を見上げた

「マーク」
「何だいディラン」
「ミーの顔に何かついてる?」
「いや何も」
「とても目線を感じるんだ」
「ディランが可愛いからつい見てしまうんだよ」
「ミーなんかより女の子の方がうんと可愛いよ」
「そんなことないさ」
「それにミーは可愛いと言われて嬉しがるような男の子じゃないよ」

しまった
ディランは拗ねたように頬を膨らます(それがまた可愛い)
俺は体を起こして素直に謝った。するとディランは優しいから(ヒステリックな女とは大違いだ)幼く笑って怒ってないよと言う
ディランを抱きしめて肩口に顔を埋めるとほのかにシャンプーであろうローズの香りが鼻腔をくすぐった

「くすぐったいよマーク」
「ディランは良い香りがするね」
「そんな事ないよ」
「あるさ。好きだよ」
「ミーもマークが大好きだよ」

ディランは綺麗な切れ長の森色で笑う
嗚呼でも俺の可愛いディラン、君の云う好きは俺の好きとは違うんだ
そう囁くと違わないよと言われた
それこそ薔薇みたいな色の唇が俺の瞼に押し付けられた
バードキスを至るところに降らされて俺はディランの顔を両手で包み込む
俺の手にディランの手が重ねられた

「マークがゲイだって知ってたよ」
「女の子だって好きさ」
「そうなの?」
「でも、今の俺にはディランだけだ」

そう言って唇に深いキスをすると、ディランはふふと笑った

「ミーの思った通りマークはキスが上手いね」
「褒めてくれて嬉しいよプリンセス」
「だからミーは女の子じゃないってば」
「あぁ、そうだ。すまないディラン」
「キスしてくれたら許してあげる」

ディランは娼婦のように嫌らしく笑うと俺の首に腕を回してきた
隣の部屋でチームメイトの騒がしい声が聞こえるが、それがまたストイックで余計情欲が掻き立てられる
噛み付くようにキスするとディランはまた楽しそうに笑った




































(100927)
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