荒い息と嗚咽が浴室に響いている
新羅はシャワーと流れる涙と一緒にこの想いも消えてしまえと祈った
脱衣所で物音がする
新羅はシャワーを出したまま扉を開けて、タオルを用意していた同居人を浴室へ引きずり込んだ
拍子に彼女の手からPDAが滑り落ち嫌な音がしたが、新羅は気にせず扉を閉める
そして彼女のライダースーツが濡れることなど気にせず強く抱きしめた
セルティは恋人の突然の行動に唖然とし、言葉を伝えることができないことに苛立った

「セルティごめんね」

新羅は呟きより一層腕に力を込める
シャワーから溢れるお湯から湯気が立ち込め、セルティの黒と溶け込む
何故謝っているのだろう
新羅はただ謝り、セルティと低い声音で言う

「抱きたい」

セルティは宥めるように新羅の背中を撫でていた手を止めた
新羅の顔が見えない
セルティは酷く悲しくなって、けれどこの弱った男がとても愛しく思えて、強く抱き返した









静雄は珍しく臨也の元へ自ら訪れてセックスをしたいと言い出した
臨也は驚きはしたものの理由を聞くことなく静雄を抱いた
執拗にキスを求める静雄が滑稽で愛らしかった
事情後のベッドで静雄は臨也を強く抱きしめた
臨也は震える金をただ撫でて、怯えることなんてないよ。と囁いてやった
しかし静雄はそうじゃないと首を振る

「お願いだ臨也。俺を捕まえててくれ。逃げないように、離れないように、でなけりゃ俺…」

もうどうしたらいいか判らない
そう言って静雄は色素の薄い瞳から涙を零した
臨也はうんと囁くと静雄を胸の中に納めて呪いをかける

「絶対逃がしてやらない」

































(100905)
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