ぱちりと音がするように豪炎寺の目が開いた。長い睫毛が震えて寝起き眼をこする。
テーブルに伏せて寝ていた為少し腕が痺れていた
いつの間にか寝てしまっていたらしい。肩にはブランケットがかかっていた
今日は円堂の家に泊まりに来ていた。
円堂が数学が壊滅的にできず豪炎寺に泣きついてきたのがきっかけで、豪炎寺は円堂の勉強を見てやる為に泊まりに来たのだった
しかしその教える身である豪炎寺が寝てしまっていては意味がない。
ケータイで時間を確認すると夜11時を回った所だった
意識があったのは夕食を頂いて風呂に入り、円堂の勉強を少しばかり見た所までだから…9時頃であろうか
豪炎寺は伸びをして円堂に声をかけようとしたが机に向かっていた筈の円堂の姿が見当たらない。
机に広げられたノートを見てみると殆どが正解であり、間違いも簡単なケアレスミスだった
豪炎寺が微かに笑ってノートをペラペラとめくっていると後ろでドアが開く音がした
振り向くと円堂が寝巻き変わりの豪炎寺と同じようなTシャツとハーフパンツ姿で立っていた

「起きたのか」
「悪い円堂、起こしてくれたら良かったのに」
「いや爆睡だったし、起こすと悪いと思ってさ」

どうやらトイレ帰りらしい
テーブルの上にあった空のコップを見て、何か飲み物取って来るな、と言い残し円堂は部屋から出て行った。
豪炎寺はベッドに腰掛ける
腰掛けた途端、豪炎寺は先日の円堂との事情を思い出しふわりと頬を染める
円堂と豪炎寺は思春期に特有の性に対する好奇心から関係を持ってしまった
この感情が恋愛感情なのか豪炎寺にはわからない。
ただ円堂に迫られた際に嫌だとは思わなかった。
自分の痴態を目の当たりにして主張する円堂の精器を見て心臓を締め付けられるような感覚にも陥った。
何度もキスをされて、身体をまさぐられて。
あの感覚が忘れられない。自分は淫乱だったのだろうか。今夜も求められるのだろうか。
豪炎寺は赤くなった顔でぐるぐると思考を巡らせる。
そしてふと事情中の円堂の上擦った吐息混じりの声を思い出す
『豪炎寺、可愛い』
音がする程真っ赤になって豪炎寺はベッドに突っ伏して恥ずかしさで身悶えた
するとタイミングを見計らったようにドアが開いて豪炎寺は弾かれたようにベッドから身を起こす

「お、遅かった、な!」
「おう、かーちゃんが菓子だとか一杯渡してきてさー」

円堂は両手に抱えたオレンジジュースのペットボトルとお菓子をテーブルの上に載せた
豪炎寺はゆっくりベッドから下りて、円堂がコップにオレンジジュースを注ぐ様子を眺めている。
注ぎ終わると円堂は豪炎寺の横に座った
豪炎寺は礼をいいながら心臓が飛び跳ねるのを感じた。
意識するまでは普通だったのに隣に円堂がいるというだけで緊張が増す。
豪炎寺は得意のポーカーフェースが崩れるのも時間の問題だと、人工的な甘みのオレンジジュースを啜りながら思った

「なぁ豪炎寺」
「…なんだ?」

突然円堂から話し掛けられて心拍数が上がった。
チラと円堂の方を見ると円堂が自分を凝視しており、豪炎寺は頬が紅潮するのを感じた

「な…なんだ…?」
「俺、豪炎寺が髪下ろしてるの初めて見た」
「は?あ、あぁ…」

そんなことかと豪炎寺は胸を撫で下ろした。
余りに真剣な目で凝視され何事かと思った自分が恥ずかしくなる。
するとふと、円堂の影が覆いかぶさってきた。
見上げると円堂の顔が近い。
驚きと期待で動けずにいる豪炎寺の手にあるコップを取り上げ、円堂はテーブルにそれを静かに置いた。
迫り来る円堂から目が反らせず真っ赤になっている豪炎寺に円堂は更に詰め寄る。
対にはカーペットに押し倒してしまった。
豪炎寺は組み敷かれたことによってじわりと身体の奥が熱くなるのを感じた
円堂は何も言わない
豪炎寺は円堂から目を背けた

「え…円堂、どいてくれ…」
「何で?」
「何でって…」
「豪炎寺、期待してただろ?」

その言葉にかぁっと身体が熱くなる
余りの恥ずかしさに溢れる涙を見られたくなくて豪炎寺は目を逸らす。
それを円堂は許さなかった
ふに、と唇に柔らかい感触
キスされた
ただ押し当てるだけのものだったが豪炎寺を落とすには充分なものだった
円堂の舌が豪炎寺の唇に当たる。豪炎寺はゆるりと唇を開いた。
すると早急に円堂の舌が豪炎寺の口内に侵入し、歯をなぞられたり顎裏をくすぐられる
豪炎寺が快感にうち震え、舌を思わず引っ込ませると円堂は唇を離した。

「っ…はぁっ…は、」
「豪炎寺。舌、出して」

円堂は息を整えようとした豪炎寺に間髪いれず言う。
恥ずかしさで心臓が爆発するのではないかと思いながら豪炎寺は素直に、そろりと舌を出す
すると直ぐにちゅるりと舌を絡ませられた。
驚きに目を見開くが円堂は再び豪炎寺の口内を貪る。
豪炎寺は目をつむり、ぎゅうと円堂のTシャツにしがみついた。
豪炎寺の口元からはどちらのともいえない唾液が滴っていた
息をするのが辛い。
意識が朦朧としてきたとき、豪炎寺のTシャツ内に円堂の手が侵入してきた
びくりと体を跳ねさせると円堂は漸く豪炎寺の唇から離れた
息を整えることも許されず乳首をつまみ上げられる

「あ!あぁっ…」

思わず甘い声が上がり豪炎寺は慌てて両手で口を覆う。
そのことに円堂は何も言わず、淫らに口元を上げて豪炎寺のTシャツをたくしあげた。
そして相も変わらず指で硬くなり始めた豪炎寺の乳首を指で蹂躙する。
反応し始めたもう片方には舌を這わせ、歯で甘噛みをする始末だった
じんじんとした痺れが腰に走り、豪炎寺は涙を浮かべる

「あ、っ…う…!円堂…ぁ、やめ…」
「豪炎寺、気持ち良さそうだよ」
「はぁっ!や、やぁっ…!」

じゅるりと吸い付かれ豪炎寺は胸を円堂に突き出すようにのけ反った。
円堂が口と指を離すと乳首は真っ赤になって痛々しい程に上がっていた
円堂も息が上がっており、頬が微かに赤い。
豪炎寺はハーフパンツに伸ばされた円堂の手を掴んだ。

「まっ…待ってくれ、円堂…」
「…何だ?」
「え、あ、その…電気…消してくれないか……」






















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