彼の髪を見て佐久間は思う。これは何色だろうと
世間一般では金髪、ブロンドなどと分類されるであろうが佐久間はどうしてもそうは思えなかった。
もう少し柔らかなそれでいて神々しい色
ぱらりと顔にかかるそれに目を細めながら佐久間はその絹糸を指で摘んだ
「何だい?」
「これ染めてんの?」
「残念ながら地毛だよ」
クスクスと自分より遥かに中性的な男は笑う。雪のように白い肌はなまめかしく蠢き佐久間の体を這う
自分の褐色の肌とのコントラストがやけに目につき、佐久間は目を閉じた。
照美の肌は冷たい
冷え症らしいが佐久間の素肌には堪えた
それも最初で、その長い髪と一緒に佐久間の額に汗が滴る頃には照美の肌も悩ましい程熱くなっていた
快感に身悶えながら佐久間は照美の顔を見上げる
中性的な顔をしているが男の性をさらけ出す今はただの男の顔をしていた
それが更に佐久間の快感を煽り胎内に感じる熱は質量を増す
眉を寄せ快感に堪える照美の顔が愛らしく感じて佐久間は薄く笑い、照美の唇を舐める
照美は一瞬驚いたようだったが佐久間の肉付きの悪い両足の太ももを掴み腰を押し付ける
佐久間は汗を浮かべながら艶のある声を上げた
性感帯を押し上げられ佐久間は堪え難い感覚に震える
涙を浮かべて照美を見ると額に唇を落とされて、咥内を貪られた
荒い呼吸と水音に耳がざわつく
シーツを掴んでいた手を照美の絹糸に伸ばす
途端照美は女神のように笑い、佐久間の汗で肌にへばり付く薄水色の髪を避けながら言った
「君は本当に僕の髪が好きだね」
「っ…は、違う、邪魔なだけだ」
「じゃあ切ろうか」
「勿体ない」
「ふふ」
クツクツと声を抑えて笑う照美を佐久間は睨みつけて掴んでいた絹糸を引っ張った
照美はそれでも笑いながら痛いよと呟いた




























照佐久好きの友人に捧ぐ





(100829)
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