黒い帽子に口づけを












 しまった、
 いつの間にか眠ってしまって‥











 「少しくらい、いいよね」










 千尋、目が覚めたのか



 少しくらい、の意味は
 わからなかったが

 その声はとても
 弱々しい声だった




 起きるタイミングを
 逃してしまったな…‥










 「おやすみ、弦一郎」










 千尋はそう呟き
 帽子に近づいてきた

 何をしたかはわからなかった
 いや、得に何かをしたわけでも
 ないのかもしれない



 そんな事を考えていたら
 また規則的な寝息が聞こえてきた







 「千尋・・・」






 もう少し寝かせといてやろう
 疲れているのだ、きっと

 頼れと言ったのに、
 結局は頼ってもらえないんだな
 そう考えると少し切なくなった

 それと同時に自分の未熟さを痛感





 「ああ、おやすみ‥」





 そう千尋に声をかけ、
 俺も再び眠りについた

 もっと強くなりたい、と願いながら


















 「弦一郎‥千尋の様子は、




          昼寝中か・・・」



















 「ふふ、そろそろ起きる時間だよ」

 「いいデータが取れそうだ」












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 (近くにいると安心する)
 (この気持ちの理由は、)

















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