「好き、なんだ」
目の前の弦一郎は、
少し赤くて
大きくて、優しい腕で
あたしをまた抱きしめた
今、幸せかもしれない
ううん
間違いなく幸せだ
だけど、
「ご、ごめん‥あたし
かんがえ、させて…じゃあね」
「待っ‥」
弦一郎の腕からすり抜け
全速力で走った
馬鹿だ、
その場で断ればいいのに
この世界にいるために
この気持ちは捨てたはずだったのに
完全に断ち切る事ができない
なんで、こんなに
好き、なんだろう
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(雨止んだ、のに)
(これは涙、?)
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