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scramble
向日がいきなり他校の女を
見学させたいと言ってきた
その女は立海テニス部の
マネージャーをやっているらしい
向日が連れてきた女"千尋"は
儚く優しい笑顔で
だけど、どこか力強くて
よくわかんねぇけど
とりあえず気に入ったんだと思う
「千尋‥起きろ」
すやすやと車の中で眠る千尋
「‥んー・・・」
無防備でかわいい、なんて
思ったのは秘密だ
「起きたか?着いたぞ」
「わ‥綺麗ー」
俺のお気に入りの場所
千尋は目を輝かせてて
まるで小さな子供みたいで
それでいて横顔が
とても綺麗だった‥
「気に入ったのならよかった」
「ありがとう‥」
なんだこれは
今、無性に照れ臭いぞ
「いや、これぐらい・・・
俺様にしたらたいしたことない」
「そっか、」
「ああ」
本当に、たいしたことない
その後家まで送り届けて
さよならした
"また"って千尋が言うから
その"また"がすぐきたらいいのに
なんて思った俺がいた
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(お前の前だけでは、)
(俺様じゃなくて俺だった)
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