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飛鳥にしてもらうのは、今までのどんなヤツとの行為より気持ちいい。誰かと比べることが間違いなのだろうが、精神と身体は直結しているのだな、とこういう時に思う。
「ぁっ」
このまましてもらうのも楽しいが、俺も飛鳥に触れたい。俺は飛鳥のものを再び責めながら、飛鳥の後ろにも手を伸ばした。
「あぁ、だめだってば……、」
飛鳥が後ろでの行為に慣れてきたのと、俺が飛鳥の感じるポイントを覚えたので、飛鳥は面白いくらいに反応を示す。
「ダメ?やり返せば?」
「ん、ん―――っ」
膝の上に乗った飛鳥の太腿が、ビクビクと震える。思わず前を責めていた手をその白い足に這わせると、びくんと大きく跳ねて、飛鳥が再び果てた。
「はぁ…っ、はぁ…」
「…何回目だっけ?3回目?」
肩で息をする飛鳥の頭を撫でてやると、また飛鳥の目から涙が溢れる。
「も、感じすぎて変になる…っ」
ふにゃふにゃと力の入らない飛鳥が俺の身体にもたれながら、涙交じりに訴える。
俺はそんな飛鳥を抱きよせると、汗ばむ身体を慈しむようにそっと撫でた。
「―――俺はずっと、変になってるよ」
飛鳥に会ってから、ずっと変だ。
誰の前でも上手く笑顔を作って、人付き合いのいい『柊正人』でいられたのに。
飛鳥の前では、どうしてもうまくいかない。八つ当たりも散々したし、こんなに嫌な人間だったのかと自己嫌悪だって死ぬほどした。
それでも、飛鳥がいいと求めるんだ。
病気かもしれない。それとも、運命かもしれない。
俺の狂おしいほどの気持ちが、飛鳥を巻き込んだのかもしれない。事実、今まで飛鳥は俺のせいでたくさん傷ついただろう。
それでも、この腕の中に飛鳥がいることが、とても幸せなのだ。
本当に、おかしいくらい―――
「―――好きだ、飛鳥」
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